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  1. 埼玉県議会 2004-12-01
    12月09日-05号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    平成16年 12月 定例会十二月定例会 第九日(十二月九日)平成十六年十二月九日(木曜日)第九日 議事日程 一 開議  午前十時 二 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問      六番  相馬宏雄議員    二十一番  石田 昇議員    二十二番  渋谷 実議員 三 次会日程報告    十二月十日(金) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会          ----------------本日の出席議員   九十三名       一番  松本恒夫議員       二番  小菅健夫議員       三番  新井悦二議員       四番  梅澤佳一議員       五番  松沢邦翁議員       六番  相馬宏雄議員       七番  小林哲也議員       八番  中村 健議員       九番  諸口高男議員       十番  本木 茂議員      十一番  藤本正人議員      十二番  塩野正行議員      十三番  久保田厚子議員      十四番  吉田芳朝議員      十五番  富岡勝則議員      十六番  宮崎栄治郎議員      十七番  荒川岩雄議員      十八番  清水勇人議員      十九番  鈴木 弘議員      二十番  清水寿郎議員     二十一番  石田 昇議員     二十二番  渋谷 実議員     二十三番  中村興夫議員     二十四番  中森福代議員     二十五番  大山 忍議員     二十六番  鈴木聖二議員     二十七番  蒲生徳明議員     二十八番  石渡 豊議員     二十九番  森田光一議員      三十番  田口禎則議員     三十一番  黒田重晴議員     三十二番  北堀 篤議員     三十三番  鈴木義弘議員     三十四番  逢澤義朗議員     三十五番  本澤安治議員     三十六番  岡部三郎議員     三十七番  島野 直議員     三十八番  神山佐市議員     三十九番  島田正一議員      四十番  細田徳治議員     四十一番  近藤善則議員     四十二番  西山淳次議員     四十三番  西田矩子議員     四十四番  村上明夫議員     四十五番  山川百合子議員     四十六番  守屋裕子議員     四十七番  佐久間 実議員     四十八番  成塚常吉議員     四十九番  小谷野五雄議員      五十番  峯岸光夫議員     五十一番  長峰宏芳議員     五十二番  樋口邦利議員     五十三番  竹並万吉議員     五十四番  田中千裕議員     五十五番  鹿川文夫議員     五十六番  白石孝一議員     五十七番  田中龍夫議員     五十八番  森泉義夫議員     五十九番  福永信之議員      六十番  矢部 節議員     六十一番  当麻よし子議員     六十二番  河村勝子議員     六十三番  斎藤正明議員     六十四番  吉田 弘議員     六十五番  長沼 威議員     六十六番  石渡 勲議員     六十七番  滝瀬副次議員     六十八番  井上直子議員     六十九番  蓮見昭一議員      七十番  田島敏包議員     七十二番  小島信昭議員     七十三番  奥ノ木信夫議員     七十四番  畠山清彦議員     七十五番  神杉一彦議員     七十六番  長沼 明議員     七十七番  高橋 努議員     七十八番  角 靖子議員     七十九番  古寺五一議員      八十番  神谷裕之議員     八十一番  奥田昌利議員     八十二番  大沢立承議員     八十三番  遠藤俊作議員     八十四番  秋谷昭治議員     八十五番  谷古宇勘司議員     八十六番  大石忠之議員     八十七番  深井 明議員     八十八番  秋山 清議員     八十九番  野本陽一議員      九十番  山本晴造議員     九十一番  笠原英俊議員     九十二番  松本安弘議員     九十三番  秦 哲美議員     九十四番  山岸昭子議員  欠席議員   一名     七十一番  丸木清浩議員地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   上田清司   知事   都筑 信   副知事   齋藤 健   副知事   井立勝己   出納長   中村一巖   総合政策部長   島村和男   総務部長   今井栄一   環境防災部長   伊能 睿   健康福祉部長   馬場竹次郎  労働商工部長   杉田勝彦   農林部長   小沢 隆   県土整備部長   橋本光男   国体・国際スポーツ大会局長   田村健次   公営企業管理者   武 弘道   病院事業管理者   稲葉喜徳   教育長   池田克彦   警察本部長             発言(質問)通告書  十二月九日(木)議席番号 氏名      要旨 答弁者  六番 相馬宏雄議員  1 三位一体の改革について 知事             2 教育問題について 教育長              (1) 義務教育の基礎学力向上について              (2) 児童、生徒の安全確保について             3 少子化対策について 健康福祉部長             4 個人県民税の徴収支援対策について 総務部長             5 埼玉りそな銀行の県民銀行化構想について 知事             6 「彩のかがやき」のブランド化の促進について 農林部長             7 地元問題について 県土整備部長              (1) 羽生水郷公園の整備について              (2) 一級河川中川の河川整備について二十一番 石田 昇議員  1 知事の県政運営について 知事              (1) 平成十七年度の予算編成について              (2) 部設置と女性の登用について             2 環境問題について 環境防災部長              (1) 歩行中の喫煙禁止について              (2) オゾン層の保護対策について             3 市町村における教職員の広域人事異動の推進と地域格差の是正について 教育長             4 埼玉高速鉄道の運賃について 都筑副知事             5 ホームレス問題について 健康福祉部長             6 経済構造改革における連結納税制度について 総務部長             7 毛長川排水機場の自動運転化について 県土整備部長二十二番 渋谷 実議員  1 国民保護法制について 知事             2 イラクへの自衛隊派遣について 知事             3 屋外広告物対策について 県土整備部長 警察本部長             4 JR川越線の輸送力増強と利便性の向上について 総合政策部長             5 建設業者に係る営業所及び支店の調査について 県土整備部長 総務部長             6 古川排水路及び荒川廃川敷の管理について 農林部長 県土整備部長             7 地元問題について 県土整備部長              (1) 国道二五四号バイパス大仙波地内の交差点の設置について              (2) 県道川越越生線の整備について          ----------------午前十時三分開議  出席議員   九十二名   一番   二番   三番   五番   六番   七番   八番   九番   十番   十一番  十二番  十三番   十四番  十五番  十六番  十七番   十八番  十九番  二十番  二十一番   二十二番 二十三番 二十四番 二十五番   二十六番 二十七番 二十八番 二十九番   三十番  三十一番 三十二番 三十三番   三十四番 三十五番 三十六番 三十七番   三十八番 三十九番 四十番  四十一番   四十二番 四十三番 四十四番 四十五番   四十六番 四十七番 四十八番 四十九番   五十番  五十一番 五十二番 五十三番   五十四番 五十五番 五十六番 五十七番   五十八番 五十九番 六十番  六十一番   六十二番 六十三番 六十四番 六十五番   六十六番 六十七番 六十八番 六十九番   七十番  七十二番 七十三番 七十四番   七十五番 七十六番 七十七番 七十八番   七十九番 八十番  八十一番 八十二番   八十三番 八十四番 八十五番 八十六番   八十七番 八十八番 八十九番 九十番   九十一番 九十二番 九十三番 九十四番  欠席議員   二名   四番  七十一番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(都筑) 副知事(齋藤)   出納長     総合政策部長  総務部長   環境防災部長  健康福祉部長  労働商工部長   農林部長    県土整備部長  国体・国際スポーツ大会局長   公営企業管理者 病院事業管理者 教育長   警察本部長 △開議の宣告 ○井上直子議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ----------------知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○井上直子議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 六番 相馬宏雄議員        〔六番 相馬宏雄議員登壇〕(拍手起こる) ◆六番(相馬宏雄議員) おはようございます。六番、東二区、羽生市選出、自由民主党の相馬宏雄でございます。昨年の十二月議会に引き続き二回目の登壇でございます。緊張しております。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、発言通告に従いまして順次質問させていただきます。 まず初めに、三位一体の改革についてお伺いいたします。 今議会でも、この改革の重要さの認識の下、一般質問での議論が交わされてきました。幾分重複する部分もありますが、御理解いただきたいと存じます。 国と地方に関する三位一体の改革を推進することにより、地方の権限と責任を大幅に拡大し、歳入歳出両面での地方の自由度を高めることで、真に住民に必要な行政サービスを地方が自らの責任で自主的、効果的に選択できる幅を拡大するものとしています。そして、国、地方を通じた簡素で効率的な行財政システムを構築することが強く求められています。そして、地方を含め活発な議論が交わされ、先月二十六日、政府・与党は、骨太の基本方針に基づき、地方案を真しに受け止め、平成十八年度までの三位一体の改革の全体像について、次のとおり合意したところでございます。 まず、第一点目の国庫補助金削減については、平成十七年度及び十八年度予算において、文教分野である義務教育国庫負担金、社会保障については国民健康保険の権限移譲を前提に都道府県負担の導入等々を行うとともに、廃止、縮減により移譲された事務事業について、地方の裁量を生かしながら確実に執行されることを担保とする仕組み、すなわち国による基準、モニター等のチェックシステムの構築をすることとしました。 次に、二点目の税源移譲については、おおむね三兆円規模を目指し、この内容は、所得税から個人住民税所得割の税率をフラット化にすることを基本とし、併せて国、地方を通じた個人所得課税の見直し、また地域間の財政力格差の拡大についての確実な対応を図るとしました。 しかしながら、平成十七年度の実質的な税源移譲は、義務教育負担金、生活保護、児童扶養手当等の改革の先送りにより、三兆円の八割方の二兆四千百六十億円程度にとどまりました。 三点目の地方交付税の改革については、平成十七年度、十八年度は、地域において必要な行政課題に対して適切に財源措置を行うなど、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源の総額を確保し、併せて、私は大変厳しいと評価しておりますが、二〇一〇年代初頭の基礎的財政収支黒字化を目指しているところであります。また、当然ながら財政格差を拡大しないよう、税源移譲に伴う増収分については、交付税基準財政収入額に現行七五パーセント算入のところを当面一〇〇パーセントにすることとしております。 これらが今回の改革の概要であり、評価をすると、非常に残念な結果であると言えます。三兆円の補助負担金削減という数字だけはつじつまを合わせたが、肝心の中身は、ほとんど先送りなのです。改革は、地方の財政面の自由度がどこまで広がったかで評価されるものであります。今回の政府・与党の合意は未確定の部分が多く、廃止対象項目は少数にとどめ、金額の大きい義務教育費と国民健康保険の二つの負担金の削減で数字合わせをした格好であります。義務教育負担金は地方案のとおり削減しましたが、中央教育審議会の結論待ちであります。 特に、私が強く疑問に思ったのは、生活保護費の削減の議論であります。先送りされましたが、生活保護はもともと国の代行業務であり、負担率を引き下げたところで地方の裁量の余地が広がるはずもなく、これを削減対象に含めれば、ますます改革の理念が遠ざかります。 多くの問題もありますが、結果はともかく、画期的なことは、政府が地方に提案を求めただけでなく、国と地方の協議の場を設けたことであります。これは新しい試みであり、地方分権一括法で対等・協力とされた国と地方の関係を実質的に保障する場となり、改革の過程がより透明になったと言えます。この点においては大いに評価したいと思います。私は、是非この方式をこれからも継続した方がよいと思う一人であります。また、地方側としても、三位一体改革すなわち地方分権を推進する上で受皿である自治体が、しっかりとした人材の確保を見逃すことのできないことを指摘させていただきます。 そこで、知事にお伺いいたします。 一点目として、私なりに述べた評価・問題点を前提に、今回の改革についての評価・検証等を含めた知事の基本的な考えはどのようなものでしょうか。 二点目として、三位一体の改革など、国との議論の場として今回重要な位置付けを示した知事会等を含む活動の展開を今後どのように進めていくお考えなのか。また、報道によれば、梶原知事会長は、この政府・与党合意案に対して六十点の評価をいたしましたが、知事は何点の評価をするのでしょうか。 三点目として、税源移譲はあるものの、補助負担金削減による県への転嫁、そして歳入面の大きな柱である交付税の削減など厳しい状況の中、現時点での来年度予算の収支不足額はどの程度と予測しているのか。また、知事就任二回目の予算編成において、上田知事色をどのように出していくお考えなのか、お伺いいたします。 次に、教育問題といたしまして、義務教育の基礎学力向上についてお伺いいたします。 資源の乏しい日本が、いかに有能な人材を育てていくかが極めて重要な課題であります。教育は未来への投資であり、我が国が直面している危機的な状況を打破するために、今こそ必要な施策を果断に実行する必要があります。世界の国々も、国家戦略として教育に力を注いでおり、アメリカでは国家予算を一兆円増やし、四兆円に引き上げたと聞いております。 我が国でも先月、中山文部科学大臣が「甦れ、日本」という義務教育改革案を発表しましたが、その中で、「日本は人材こそが資源であり、日本の学力をトップグループに押し上げるような教育改革が必要だ」という考えを示しております。これまで文部科学省が進めてきたゆとり教育については、様々な議論を踏まえ、学力低下を招くものとして批判が高まりました。改革案は、これらの日本の教育の方向を示すものとして大いに評価できると思います。 私は常々、これからの国際競争に勝ち抜ける人材を養成するためには、小中学校で基礎学力の向上に全力を挙げる必要があると主張してまいりました。本県におきましても、学力低下への懸念に対して積極的な施策の展開を推進する必要があると考えます。 先月発表された教育に関する三つの達成目標は、学力について、読み、書き、計算について、小中学生にこれだけは身に付けさせたいという基本的な内容を明確に示しています。すべての子供に確実な定着を図ろうとするものであり、時宜を得たものとして評価するとともに強く期待しているところであります。 しかし、これらの学力向上に係る事業は効果の検証が必要であり、学力調査を継続的に実施し、本県の子供たちの学力の状況を明らかにしていくことこそ、真の向上につながるものであると考えております。県は本年四月、初めて文部科学省の問題を使い、県の事業として小中学生の学力調査を実施したところであり、今後その結果の検証、活用が必要でありますが、来年度以降につきましても学力調査を継続して実施し、子供たちの学力状況を県民に説明していく責任があると考えます。 そこで一点目として、本年四月に実施された学力調査の結果はいつ公表され、どのように活用されていくのでしょうか。 二点目として、学力向上に必要不可欠な充実した学力調査を来年度以降も継続すべきと考えますが、いかがでしょうか、教育長にお伺いいたします。 次に、児童生徒の安全確保についてお伺いします。 児童生徒の非行、問題行動に関しては、残念ながら毎日のように新聞に報道されております。特に、ひったくりや傷害事件など、少年犯罪は低年齢化や凶悪化の兆候が見られ、今後の日本の将来を憂慮せざるを得ない状況であります。今こそ、安心・安全を第一に考え対処することが緊急の課題であることは、誰もが認めるところでございます。 本年六月の長崎の事件は、本来ならばお互いに協力し認め合わなければならない同級生を、校内においてカッターで死に至らしめるという衝撃的な事件でありました。本県においても、中学生が同級生の耳を切りつけるという事件が発生し、新聞で報道されました。いずれも、児童生徒が学校に持っていったナイフ等の刃物が凶器として使用されたものでした。これらの事件を未然に防ぐことができなかったことは、誠に残念なことであります。 児童生徒の生命に対する危険性を増大させている一つの要因は、学校生活の安全を守るべき学校が、子供がナイフ等の刃物を所持していることに気づかないことです。児童生徒のプライバシーという人権を優先するがために持ち物検査ができないという状況は、学校における安心・安全を確保する上で大きな問題ではないでしょうか。 人権を重視することが大切であることは言うまでもありません。しかしながら、持ち物検査ができないことにより、学校の安全を守るべき教師の指導に大きな制約が加わり、教師自身の意識も後ろ向きになることで、児童生徒に対する十分な指導ができなくなっている現状にあります。このことについて、いつか再び大きな事故が発生することが懸念されます。再発を防ぐために、児童生徒の安全確保という観点から、事件の反省をしっかりと検証し、教師が持ち物検査を行うなどき然とした態度で対応すべきと考えますが、教育長のき然とした御見解をお伺いします。 次に、少子化対策についてお伺いします。 今、現実に少子化が止まりません。一人の女性が一生に生むと推計される子供の数を示した合計特殊出生率は、今年六月発表された二〇〇三年の調査によりますと、全国で一・三を下回り、一・二九という非常に低い数値であり、本県においては更に低く、一・二一という厳しいものであります。今回の数値的な特徴を見ると、都道府県別合計特殊出生率の地域格差は前回よりもかなり縮んでおります。このため、国全体で少子化の波を何とか食い止めなければ、活力ある国家社会を維持していくことができなくなっており、今後とも様々な子育ての支援施策を強力に推し進めていかなければなりません。 私は、親同士の交流、虐待防止、保育環境の充実に力点を置きつつ、地域の役割を重視した施策を総合的、機動的に展開しなければならないと思います。少子化対策に取り組む上で最大の問題点は、少子化問題に行政がどれだけ関与すべきかについて、共通認識がなかなか生まれないことであります。そもそも子供を生むか生まないかは個人の生き方の選択の問題であり、行政が関与すべきでないという考えは、日本のみならず欧米でも根強く、出産奨励金の給付や子供の多い家庭に対する教育費補助など、子供を生み育てることに経済的な補助をすることではなく、生まれてきた子供が十分に育ちやすい環境を整備することが出生率のアップにつながります。 また、昔は自然であった地域ぐるみで子供を育てるという意識が薄れている現状などを考慮すると、これからはコミュニティ、いわゆる地域社会の復権がかぎとなります。子供を持つ人、持たない人、若い人、中高年など異なる立場の人々が支え合って、子供の育ちやすい環境を醸成していく努力が欠かせなく、そのためにはボランティア、NPO、エコマネーなど、様々な地域活動を有機的につなげていくことが大切であります。 さらに、子供の心身の安全確保が重要であります。社会問題化している幼児・児童虐待への対策の強化、また子供が犯罪の被害者になるケースが相次ぐ昨今、安心して子供たちが暮らし遊べるまちづくり、通学路の確保等々、喫緊の課題であります。 このような課題を受けて、十年間の時限立法である次世代育成支援対策推進法が成立しました。この法においては、今後自治体が少子化対策の担い手として大きな期待をされており、その内容は、都道府県及び市町村に対し、行動計画の策定を義務付けるものであります。さきの九月議会において、「行動計画の策定については全庁的な体制で取り組み、予算についても重点的な配分をする」という知事答弁がありました。県の施策の展開はもちろん重要でありますが、私は市町村の果たす役割を重視しなければ、埼玉県を日本一の子育て県とする目標の達成は不可能であると認識しております。そこで、市町村の果たす役割を注視している立場からお伺いいたします。 まず第一点目として、現在県が把握している市町村の行動計画の状況、二点目として市町村に対する県の認識、三点目として計画策定へのノウハウの提供について、そして最後に、行動計画に伴う財政的支援をどのように考えているか、健康福祉部長にお伺いいたします。 次に、個人県民税の徴収支援対策についてお伺いします。 平成十五年度決算における県税の滞納額は、ピーク時の平成十三年度決算からは六十六億円減の三百三十四億円まで整理圧縮されてきており、かなりの徴収努力がされているところであります。 しかし、依然として高額な滞納額であることに違いはありません。県財政が極めて厳しい状況の中、自主財源の中心である県税収入の確保に向け、県税滞納額の整理圧縮を進め、徴収率の向上につなげていかなければなりません。 この県税滞納額の約半分を占める百六十五億円が個人県民税であります。個人県民税は、個人の市町村民税と併せて市町村が賦課徴収しており、実は個人市町村民税の滞納額も県全体で四百七億円にも上っているのであります。正に、個人県民税と個人市町村民税の滞納額の整理圧縮は、県と市町村共通の大きな課題であります。 県では、これまで個人県民税の徴収対策として、市町村に対して様々な支援を行ってきているところであります。その中でも、私は個人県民税の高額で徴収困難な事案を県が市町村から引継ぎを受けて徴収を行う、いわゆる県による直接徴収や、県職員を市町村に長期間あるいは短期間派遣して、市町村職員として徴収を行う市町村派遣制度などの直接的な支援が有効であると思います。こうした直接的な支援について、平成十五年度には県による直接徴収を五市町で実施し、市町村派遣は長期派遣を四市町で、短期派遣を四市町村で実施し、それぞれ成果を上げたと聞いております。 また、私の地元の羽生市では、平成十七年度に県による直接徴収を実施するために、現在行田県税事務所と協議し、その準備を進めているところと聞いております。私は、高額に上っている個人県民税の滞納額を更に圧縮するためには、県による直接徴収や市町村派遣制度による支援を必要とする市町村には、更に拡充していく必要があると思いますが、平成十六年度の実施状況と今後の取組強化の考えについて、総務部長にお伺いします。 次に、埼玉りそな銀行の県民銀行化構想についてお伺いします。 埼玉県で約四割のシェアを持つ県内銀行のトップの埼玉りそな銀行は、国の金融再生の流れの中、りそなグループの傘下に組み込まれ、グループ全体として今までに三兆円を超える国の公的資金の注入を受けていることは御案内のとおりでございます。 りそなグループは、二〇〇五年三月までを集中再生期間とし、傘下銀行が現在自助努力を続けているところであります。栃木県の足利銀行の破たんの例もあるように、地域の中核金融機関である埼玉りそなが、どう再生・再編し、地域経済とともに活性化するのか、県民として関心の高いところであります。 埼玉県の中小企業、個人にとって大きな役割を果たす中核銀行である埼玉りそな銀行は、公的資金が注入され、実質国有化されたりそなグループの中でその位置付けが不明確であり、また健全化計画において、埼玉りそな銀行の将来像に対する具体的な言及はなく、不安材料が多く残されている現状と認識しております。 このような現状の中、知事は埼玉りそな銀行の県民銀行化構想を発表しました。私は、地域経済を下支えする地域金融機関を再生、活性化する意味においても賛同を表するとともに、是非その実現に向かって頑張っていただきたいと存じます。 そこで、何点かお伺いします。 まず第一点目として、この構想についての知事の基本的な考えはどのようなものでしょうか。 二点目として、地元経済界はどのような議論並びにかかわり合いをしているのか。 三点目として、りそなグループの細谷会長は、県の出資についてはっきりと否定しておりますが、県としての出資の考えはあるのか。また、出資する場合どの程度を考えているのか。 四点目として、これはりそなグループの問題でありますが、グループ再編に伴い、外資系への売却懸念も取りざたされております。これに対する知事のお考えはどうなのか。 最後に、埼玉りそな銀行については、自助努力により十一月二十五日に公表された十六年度中間決算が初期計画を大きく上回る利益を確保し、再生から飛躍とも言われています。この際、グループからの離脱を強く要望してはどうでしょうか。 以上五点について、知事にお伺いいたします。 次に、県産米「彩のかがやき」のブランド化についてお伺いします。 いよいよ平成十六年度から、売れる米づくりを目指した改革がスタートしました。県産米、彩のかがやきは本県で育成され、おいしさや作りやすさの点で優れた特性を持っていることから、県は本年四月にスタートした米政策改革に合わせて、この米のブランド化を推進しているところであります。今年は作付面積が拡大されたにもかかわらず、食味を高める肥料のやり方など県やJAの熱心な努力により、大変おいしいお米がとれ、消費者の評価も高いと聞いております。しかしながら、米価の下落という生産者にとって厳しい現況があるのも事実であります。 私の地元でも、JA主催による食味コンテストが実施されたり、地元スーパーでの販売がスタートして市民の間で好評を得るなど、生産者の意気込みにもこれまでと違ったものが感じられます。これまでの本県の米は、いわゆる顔の見えない米と称され、他県銘柄米とのブレンドや業務用として利用が多かったと聞いておりますが、彩のかがやきの登場により、やっと消費者に顔の見える県産米が生まれるとともに、今後の展開に大きく期待を寄せているところであります。 県の計画では、平成十七年度には三千ヘクタールの作付を目指すとのことであります。しかしながら、作付の急激な拡大は、勢い品質の低下につながる危険性もはらんでおります。品質を落とせば、これまでの多くの品種のように一過性の人気で終わってしまうことが懸念されるところであり、真の意味でブランドとして確立していくためには、今後の取組がこれまでにも増して重要になると考えます。 そこで、彩のかがやきのブランド化に向けて、これまでの成果と今後の取組について、農林部長にお伺いいたします。 次に、地元問題といたしまして、まず、羽生水郷公園の整備についてお伺いいたします。 羽生市の東部地域は、東北自動車道により市街地との分断を余儀なくされ、地域の活性化が求められております。羽生市では、地域の田園風景やムジナモが自生する宝蔵寺沼、田舎教師の史跡など各種の地域資源を活用し、地域の活性化と都市型農業を創造する「羽生の里」計画を推進しており、この計画の中で市が整備いたしました三田ケ谷農林公園「キヤッセ羽生」と併せ、さいたま水族館を園内に有する羽生水郷公園を都市からの集客の拠点施設として位置付けております。 羽生水郷公園は、事業区域五十三・六ヘクタールのうち、約十一・六ヘクタールを平成九年までに供用開始し、その後区域の拡張に向け整備が進められているところであります。私も含め、地元では地域の活性化に向け一日も早い完成を望んでいるところであります。 また、地元では、水郷公園の整備に併せて、水郷公園に桜の花を植える会の設立を準備しております。この会は、地域で寄附を募り、桜の木を購入し、それを公園内に自分たちの手で植樹し、少しでも公園整備を推進しようとするものであります。このことからも、水郷公園の整備に対する地元の期待、熱意がくみ取られるものと思います。私は、このような地域住民と一体となった整備への取組は、今後公共施設の整備を行う上で重要になってくるものと考えております。そこで、羽生水郷公園の今後の整備の見通しについて、県土整備部長にお伺いいたします。 次に、一級河川中川の河川整備についてお伺いします。 羽生市では、豪雨時の内水被害が大きな問題となっております。排水機場の整備や雨水貯留施設の整備など様々な内水対策に取り組んでいるところでありますが、抜本的な対策として、市内の雨水排水の流末となります中川の改修が必要不可欠であります。内水問題を解決するための中川上流部の改修は、羽生市民の長年の悲願であり、これまで早期の事業化に向け様々な要望活動を展開してまいりました。 このかいあってか、本年度県当局の御理解、御努力によりまして、羽生市地内中川の河道改修と調節池の整備が国庫補助事業として新規採択され、事業化の運びとなりました。私を含め、羽生市民は大いに感謝と期待を寄せているところでございます。 しかしながら、その効果が発揮され、内水被害の心配がなくなるには相当の時間がかかるものと思われます。近年、全国的に集中豪雨が多発する傾向にあり、特に本年は日本各地で台風や集中豪雨による被害が発生しております。羽生市においても、道路冠水や家屋への浸水被害がたびたび発生しております。地元では一日も早い事業の完成を望んでいるわけであります。 そこで、羽生市地内における中川について、今後どのように整備を進めていくお考えなのか、県土整備部長にお伺いします。 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○井上直子議長 六番 相馬宏雄議員の質問に対する答弁を求めます。        〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 相馬宏雄議員の御質問にお答えをいたします。 まず、三位一体改革についてのお尋ねのうち、今回の改革に対する基本的な考え方についての御質問であります。 本県選出の国会議員の皆様にも、この三位一体改革についての問題点、そして解決しなければならない方向性等々についても議論、意見交換を順次いたしまして、大変な御協力をいただいたということについては、大変感謝をしております。 しかし、残念ながら、相馬議員が御指摘されたように思ったようなものになっていない。数字合わせではないかというふうに思っております。全体像そのものも、いわば、先般は「漠」というような言葉を使いましたが、どちらかと言えばもやがかかったような、そのような状態ではないかと思っております。生活保護の問題は先送りされ、残った税源移譲の六千億円についても、先送りというよりも、今後の結論はどうなるかはよく分からないという非常にもやがかかったような状態、このように思いますし、税源移譲の全体の九割が義務教育と国民健康保険でございますので、事実上裁量権がない。そして、公共事業関係は交付金化ということですので、補助金じゃない交付金、何となく交付税をもらうようなイメージがつきますけれども、事実上補助金と似たような話ということでございますので、そういう意味においては中身が必ずしも出てこなかった案ではないか、このように思っております。 ただ、御指摘のように、国対地方、あるいは地方分権の流れということでですね、三位一体改革の議論を通じて、いかに国というのが中央集権ではなく中央分権かと、各省庁の争いの中でなかなか統一したテーマが出し切れない。だからこそ、地方にきちっと任せてくださいという議論が世の中で正当化されてきたのではないかと思います。一番の評価と言えば、このことが一般社会で認められたんではないかなというふうに思っております。 そこで、今後の活動と改革の評点についてでございます。 今後の活動については、基本的には地方六団体、なかんずく全国知事会で地方交付税の確保、それから生活保護費の削減阻止に向けて今後の戦略をしっかり立てていかなければならないかなというふうに思っております。まず一番大事なことは、せっかく、我が県もそうでありますが、全国知事会として補助金のリストを出しました。このことについての回答がまだ出ておりません。本当に削減できるのかできないのかという真しな答えが出ておりませんので、この部分をしっかり追いかけていくべきじゃないかなというふうに思っています。北朝鮮ではありませんが、きちっと一つ一つ追いかけていくことで矛盾を明らかにしていく、このように考えたいと思っております。 改革の評価であります。何点かというのが分かりやすいというような議論もありますが、私は、実は十六年度に先行して実施されたということになっているんですけれども、十六年度実施分の六千五百六十億、これは三兆円の中に入っていないものだと思っておりました。したがって、これを除くと二兆四千億の中で一兆八千億ですので、十七年度分として出てきた分がですね、そうすると、これ全体の六割じゃないかと、数字の上でですね、そうすると六十点だと、これは額として六十点。しかし、中身を追っかけていくと、税源移譲の内容を考えると、実質的に二千億くらいしか裁量権がないということですので、これは二十点だと、私に言わせると。額では六十点、中身では二十点と、合わせて四十点と、こういうふうな評価をしていいのかなと、こんなふうに考えております。 次に、現時点での収支不足でございますが、平成十七年度当初予算編成方針を決定した時点では、平成十五年度の決算の県税収入等に基づく推計値として七百八十九億、これが収支不足額というふうに現在のところ見立てております。まだ、御承知のとおり十七年度及び十八年度の国庫補助負担金改革の中で、四千七百億円程度が税源移譲や交付金化にならない形で廃止・縮減と、こう言っておられますので、この分が県に必ずはね返ってくるだろう、このように思っております。またまた増収策で一パーセントアップして六十億アップしたりですね、人件費の削除等々、手当の廃止だとかいろんなことをやって、また法人税の増収等があり、一方でそういうにこにこしたくなるようなところがあり、反面、またまた昨年と同じような厳しい局面が来るのではないかと、そんなふうに思っておりますが、総務大臣も何とか地方交付税は満額確保と、こういう決意でおられますので、一緒になって努力したいと思っております。 来年度の予算編成について、独自色をどのように出すかということでありますが、基本は、こういう時代は即ケチケチ大作戦に陥って、縮小均衡の中でどんどん経済力が落ちていくという悪弊がございますので、私は縮小均衡に陥ることなくですね、経済として振興できるような仕組み、額は小さくても大きな効果を出すやつ。先般実施いたしました、九月補正予算で認めていただきましたスーパーサポート資金なんかは、その一例ではないかと思います。県が最大キャパとして五パーセントの損失を拡大することによって、一千億の事実上の資金が回転し始めるということですので、実額は極めて少額の県の負担で、結果的には一千億の資金がぐるぐる回り始める。こういうやり方を、やっぱりいろんなところで考えていくべきじゃないかと。もともとは小さくても波及効果の高い、そういう部門に特化してやれば、少ない財源で県内経済を活性化し、ひいては増収につながり、あるいは雇用の創出につながっていく、こういうことを考えるべきではないかと思っております。 本年度も重点的に取り組んでいます公共事業の重点化、防犯のまちづくり、保育所や特別養護老人ホームの整備など引き続き重点的に推進したい、このように思っております。 次に、埼玉りそな銀行の県民銀行化構想についてでございます。 本来、御質問に対して、より原稿の棒読みになることなく、自分の言葉でしゃべるべきだと思っておりますが、この問題に関しては少し微妙なところが、ナーバスなところがありますので、一部読み上げるようなところがあるかもしれませんが、御無礼をお許しいただきたいと思います。 言うまでもありませんが、本県は埼玉りそな銀行、武蔵野銀行、埼玉県信用金庫という極めて地元に特化した、埼玉県に特化した金融機関が……        〔「川信もある」と言う人あり〕 ◎上田清司知事 ええ、川信もございます。比較的特化した形での金融機関が、県内で相当なシェアを占めております。そういう意味で、中小企業で成り立つ本県の事情からすると、本県に特化した金融機関が数多くある。あるいは競争、共存的な形で存在しているということは、極めてメリットのある状態だと思います。したがって、このメリットのある状態を続けていただきたい、こういう思いがまず基本的な認識としてあります。 ところが、りそなホールディングスの公的資金の注入と経営再建の動きで、その傘下にあります埼玉りそな銀行の将来の位置付けについて、非常に不透明になってまいりました。したがって、この構想は、この状況を踏まえ、埼玉りそな銀行に民主導、官支援の枠組みの中で、地元経済界の出資などにより、真に県民の皆様や地元経済界に信頼される地域密着の銀行になっていただきたい。かつてはそうだった。したがって、これからもそうであってほしいと、こういう思いがまずあります。 次に、地元経済界の議論、あるいはかかわりでありますが、地元経済界においては、埼玉りそな銀行をやはりより自立性の高い地域密着型の銀行にしていきたいという、こういう意向がございます。したがって、本年三月には、株式会社しまむらの藤原社長を会長として、県内経済界の主要な方々をメンバーとする金融懇談会が設立され、りそなホールディングス側と構想実現に向けての話し合いが数度行われておりますし、また金融庁ともお話をされているというような御報告を聞いております。 次に、県としての出資についてのお問い合わせでございますが、この構想は、先ほども申し上げましたように、民主導、官支援という立場になっておりますので、基本的には経済界が取り組んでいただく、これが先決であります。今後構想が実現化する中で、経済界の方々から県に出資を求めるというような具体的な要請があれば、その時点で考える、このようになるかと思います。 また、りそなホールディングス細谷会長がどう考えているかということについて言えば、基本的には、まだ出資を求めるつもりはないというお話でございました。 次に、外資系への売却懸念に対する考えでありますが、この外資系への売却は、正に埼玉りそな銀行と地元密着の関係を断ち切る話になるので、これは絶対的に避けなければならない。ということで、りそなホールディングスの細谷会長並びに金融庁長官、五味長官などへの要請などにおいては、ここの部分は特に強調して、そういうことであれば、なかなか埼玉という地域では根づかない銀行になりますよというようなことも含めて申し上げております。現在、十一月十八日に発表した経営の健全化に関する計画の内容から考えて、外資系への売却は当面ないだろうというふうに認識しております。 最後に、埼玉りそな銀行のグループからの離脱への要望でございます。 この構想は、埼玉りそな銀行をより地域に密着した自立性の高い銀行にしていこうとするものであり、りそなホールディングスからの離脱や独立を目的にしたものではありません。また、グループからの離脱や独立を要望することは、経営の根幹にかかわることでもありますので、りそなホールディングスの御理解を得ることは難しいのではないかというふうに考えております。 私は、埼玉りそな銀行は、あくまで埼玉県民のための銀行であり続けてほしいと考えております。しかし、万が一、りそなグループ全体の動きの中で私どもの思いと異なる方向に向かうような場合には、地域金融機関の存立に不可欠な地域との信頼関係を喪失することにもなりかねないと強く懸念をしております。そういう意味で、引き続き構想の実現を目指し、県議会、地元経済界の皆様と手を携えて金融庁など関係機関、りそなホールディングスへの積極的な働き掛けを引き続きやるつもりでございます。 以上であります。        〔稲葉喜徳教育長登壇〕 ◎稲葉喜徳教育長 御質問二、教育問題についてお答えを申し上げます。 まず、(一)義務教育の基礎学力向上についてでございますが、本年四月に実施いたしました学力調査につきましては、国が作成した調査問題を活用し、小学校六年生と中学校三年生を対象に、小中学校それぞれ五パーセントの学校を抽出して実施いたしました。現在、教科別の正答率や分析結果などをまとめ、報告書の作成を行っているところでございます。結果の公表につきましては、国の問題を使って実施した関係上、国の調査結果の発表の後に行うことになっております。県では、当初本年度秋の発表を予定しておりましたが、国の発表が遅れておりまして、本年度末になる見込みでございますので、それを待って県の公表を行いたいと存じます。 調査報告書は、全小中学校に配布するとともに、概要を県教育委員会のホームページ等で公開する予定でございます。この調査結果の活用につきましては、分析結果から明らかになった具体的な指導上の改善点を報告書に掲載し、各学校における授業改善に結び付けてまいりたいと存じます。 また、来年度以降の学力調査の実施につきましては、議員御指摘のとおり、調査を継続的に実施し、学力の推移を把握して、施策に反映させることが重要でございますので、今後とも継続実施するための問題作成、調査の規模、調査対象学年などの課題について検討を進めてまいります。 次に、(二)児童生徒の安全確保についてでございますが、子供たちにとって学校は何よりも安全であり、安心な場所でなければなりません。その学校において、ナイフなどの刃物が凶器として使われる事件の発生は断じて許されないことであり、何にも増して、子供たちの安心・安全は優先されるべきことでございます。 かつて本県では、平成十年でありますが、中高生の刃物使用による凶悪事件が相次いで発生いたしました。その際に、バタフライナイフの所持の調査を行いましたところ、調査人員約二十九万人の三・二パーセントに当たる九千三百人ほどが所持しており、そのうち約三分の一が学校に持ってきたという調査結果を得ております。こうしたことから、バタフライナイフをはじめとする刃物類の回収を行うとともに、ナイフの危険性を訴えた緊急アピールを家庭に伝え、また、警察官などを講師に迎え暴力行為根絶教室を開催し、児童生徒にナイフなどの刃物を持たせない指導を進めてまいりました。 特に、児童生徒が問題行動を引き起こさないようにするためには、日ごろから子供たちの言動や態度を注意深く見守り、早期に対応することが大切でありますので、こうした観点からカウンセリング研修会を実施し、教員のカウンセリング能力の向上に努めるとともに、スクールカウンセラーなどの配置によりまして教育相談体制を整えているところでございます。 ナイフ等の刃物所持に対しましては、子供の人権を重視することも必要ではありますが、まず何よりも児童生徒の生命の安全確保が優先されるべきでありますので、議員お話のとおり、それぞれの学校において持ち物検査を実施するなどき然とした対応を行うことが大切でございます。今後とも学校内でナイフなどの事件が発生することのないよう、持ち物検査を含め学校が一丸となって児童生徒に当たるよう指導の徹底に努めてまいります。        〔伊能睿健康福祉部長登壇〕 ◎伊能睿健康福祉部長 御質問三、少子化対策についてお答えを申し上げます。 まず、県が把握している市町村の行動計画策定の状況についてでございます。 平成十五年度に国のモデル事業として、新座市におきましては先行して行動計画を策定いたしております。その他の市町村では、この新座市の行動計画を参考にしながら、現在保育所、幼稚園、学校、子育てNPO、一般公募の住民など幅広い関係者からなる協議会などを設置いたしまして、計画策定を進めているところでございます。 次に、市町村に対する県の認識についてでございますが、市町村は、保育や母子保健をはじめとする子育てサービスの最前線でございます。その果たす役割は極めて重要でございます。このため、市町村の行動計画の目標達成が次世代育成支援対策の実現のかぎを握っているものと認識をいたしております。 次に、市町村への計画策定のノウハウの提供についてでございますが、県では、地域別の連絡会議をこれまで十五回開催するなどいたしまして、市町村が行うニーズ調査の方法をお示しいたしますとともに、県が行った結婚や子育てに関する調査の結果や県の行動計画策定協議会の検討経過を情報提供いたしますなど、市町村の計画策定を支援してまいりました。 次に、行動計画に伴う財政支援についてでございますが、県ではこれまでも保育所や放課後児童クラブの整備運営や先駆的な子育て支援事業などに対する助成を行ってまいりました。今後とも引き続き、市町村の行動計画の目標達成に向けて支援を行ってまいりたいと思っております。        〔島村和男総務部長登壇〕 ◎島村和男総務部長 御質問四、個人県民税の徴収支援対策についてお答えを申し上げます。 県の自主財源の中心を占める県税収入の確保に向けて、徴収率のアップと滞納額の圧縮のため、現在、高額困難事案対策、自動車税対策、個人県民税対策の三つの重要課題を中心に、税務組織を挙げて取り組んでいるところでございます。特に、市町村が市町村民税と併せて徴収している個人県民税につきましては、徴収率が低く、また滞納額は百六十五億円に上り、県税滞納額の約半分を占めております。このため、平成十六年度は個人県民税の滞納額を各県税事務所ごとに具体的な圧縮目標額を掲げまして、県による直接徴収、市町村への県職員の派遣を中心に、市町村に対して様々な支援を行っているところでございます。 御質問の平成十六年度市町村支援の実施状況でございますが、県が市町村から徴収を引き継ぐ県による直接徴収は七団体で実施し、これまで合計で一千七百六十件、二億五千三百万円を引き継ぎ、滞納整理に当たっているところでございます。この結果、既に事務が完了した深谷市では、引継額のうちの八〇パーセントについて徴収、差押え、納税誓約等の成果を上げました。また、市町村の徴収部門強化のため県職員を二年間派遣する市町村長期派遣は九団体で実施し、県職員が短期間に集中して市町村支援を行う短期派遣は四団体で実施しております。さらに、八団体に短期派遣する準備を進めております。こうした取組により、県職員の派遣だけの効果とは必ずしも言い切れませんが、派遣している市町村では、十三団体中十団体で個人県民税の徴収率が向上しております。 このように、県による直接徴収や県職員の市町村への派遣は、個人県民税の徴収率のアップと滞納額の圧縮に極めて有効であると考えますので、今後必要な体制の整備や要員の確保について関係部局と協議を進め、こうした支援をより積極的に行ってまいります。        〔杉田勝彦農林部長登壇〕 ◎杉田勝彦農林部長 御質問六、「彩のかがやき」のブランド化の促進についてお答えを申し上げます。 彩のかがやきは、県農林総合研究センターにおいて十年余の歳月をかけて育て上げた品種でございます。食味は、ほのかな甘味と適度な粘りがあり、コシヒカリ並みにおいしく、いもち病など複数の病害虫抵抗性を兼ね備えた晩生の品種でございます。県といたしましては、県産米改革の一つの柱として、この新品種がコシヒカリ、キヌヒカリと並ぶ本県の主力品種となるよう、ブランド化の推進に積極的に取り組んできたところでございます。 これまでの成果でありますが、県といたしましては、この米の優れた特性が最大限に引き出せるよう栽培指針を策定し、食味については、米の味を左右するたんぱく質含量を六・五パーセント以下とするよう窒素肥料を抑えること。また、減農薬栽培を進める観点から、農薬を使わない種もみの殺菌法である温湯消毒の導入などを指導したところであります。 産地においては、指針に基づく統一的な栽培に向けて栽培協定が結ばれ、徹底した生産管理が行われ、本年は約一千二百ヘクタールの作付がなされたところであります。その結果、彩のかがやきの食味値はコシヒカリと並ぶ八十点台の好成績となり、等級も一等米比率九九パーセントとなったところでございます。 また、販売段階におきましては、農業協同組合などの前向きな取組により、年間を通じた安定販売に必要なロットが確保され、県産米としては初めて単独品種での本格販売が、生活協同組合や量販店において開始され、順調に推移しているところでございます。 今後の取組についてでございますが、平成十七年は三千ヘクタール、平成十八年には県内水稲面積の一七パーセントに当たる五千五百ヘクタールの作付を目指していくこととしております。相馬議員のお話にもありましたが、面積の拡大により品質を落とすことのないよう、各産地において今年度築き上げてきた徹底した種子更新や肥培管理を踏襲し、緊張感ある取組を全力で進めてまいります。 新たな米政策がスタートし、米をめぐる産地間競争が増す中にありましても、彩のかがやきにつきましては、おかげをもちまして生産と販売の一貫したブランド化の取組が形づくられてきておるところでございます。今後とも気を緩めることなく、なお一層の産地支援と販売環境の醸成に努めてまいります。        〔小沢隆県土整備部長登壇〕 ◎小沢隆県土整備部長 御質問七、地元問題についてお答えを申し上げます。 まず、(一)羽生水郷公園の整備についてでございますが、羽生水郷公園は、国指定天然記念物のムジナモの自生地や、さいたま水族館を中心に身近な水辺の生物と人との共生をテーマとした広域公園でございます。これまでに、さいたま水族館や水族館南側の修景池、水生植物園などの施設を中心に約十一・六ヘクタールを供用開始し、多くの方々に御利用いただいております。現在、平成六年に追加拡張した約三十七ヘクタールの区域について園路や池などの整備を進めており、平成十五年度末の工事の進ちょく率は約三二パーセントとなっております。 お尋ねの今後の整備の見通しにつきましては、引き続きバリアフリーに配慮したトイレ、水飲み場や休憩所などの整備を行い、平成十七年度末には、公園中央の池を中心とした約七ヘクタールの区域の供用開始を予定しております。お話にもございました地域の方々の手による公園整備の推進は、今後の事業推進において重要なことと考えておりますので、今後とも地元市をはじめ地域住民の方々の熱意ある取組と連携を図り、更に魅力ある公園づくりに努めてまいります。 次に、(二)一級河川中川の河川整備についてでございますが、羽生市内の中川の河川改修につきましては、市内の浸水被害を早期に軽減するため、平成十六年度に一級河川の起点から下流の約三・三キロメートル区間の河道改修と調節池の整備に着手いたしました。この十一月には、用地買収に必要な測量に関しての説明会を開催し、地元の皆様の了解が得られましたので、年内には測量に着手する予定でございます。 お尋ねの今後の整備の進め方につきましては、事業区間の下流部が未改修でありますことから、河道改修により下流に影響を及ぼさないよう、まず調節池を整備した後に、順次上流に向けて河道改修を進めていくこととしております。また、調節池の整備に当たりましては、平成十七年度に調節池の越流部付近の用地買収に着手し、ある程度用地がまとまった段階で工事を行いまして、早期に治水効果を発揮させたいと考えております。引き続き地元の皆様の御協力をいただきながら、安心で安全な生活が確保できますよう早期整備に努めてまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○井上直子議長 暫時、休憩いたします。午前十一時休憩          ----------------午後一時二分再開  出席議員   八十八名   一番   二番   三番   五番   六番   八番   九番   十番   十一番  十二番  十三番  十四番   十五番  十六番  十七番  十八番   十九番  二十番  二十一番 二十二番   二十三番 二十四番 二十五番 二十六番   二十七番 二十八番 二十九番 三十番   三十一番 三十二番 三十三番 三十四番   三十五番 三十六番 三十七番 三十八番   三十九番 四十番  四十一番 四十二番   四十三番 四十四番 四十五番 四十六番   四十七番 四十八番 四十九番 五十一番   五十二番 五十三番 五十四番 五十六番   五十七番 五十八番 五十九番 六十番   六十一番 六十二番 六十三番 六十四番   六十五番 六十六番 六十七番 六十九番   七十番  七十二番 七十三番 七十四番   七十五番 七十六番 七十七番 七十八番   七十九番 八十番  八十一番 八十二番   八十三番 八十四番 八十五番 八十六番   八十七番 八十八番 八十九番 九十番   九十一番 九十二番 九十三番 九十四番  欠席議員   六名   四番   七番   五十番  五十五番   六十八番 七十一番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(都筑) 副知事(齋藤)   出納長     総合政策部長  総務部長   環境防災部長  健康福祉部長  労働商工部長   農林部長    県土整備部長  国体・国際スポーツ大会局長   公営企業管理者 病院事業管理者 教育長   警察本部長 △再開の宣告 ○近藤善則副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○近藤善則副議長 質疑質問を続行いたします。 二十一番 石田昇議員        〔二十一番 石田昇議員登壇〕(拍手起こる)
    ◆二十一番(石田昇議員) 二十一番、自民党県議団の石田昇でございます。 本日は、私の登壇のために鳩ヶ谷から大勢の方々がお越しくださいました。心から歓迎し、感謝申し上げます。ありがとうございます。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして順次質問を行わせていただきます。 まず、知事の県政運営についてでございます。 最初に、平成十七年度の予算編成についてお尋ねをいたします。 財務省関東財務局が発表した最近の埼玉県の経済情報としては、「厳しい情勢にあるものの持ち直しの動きも見られている」としております。個人消費は弱みを含んでいるものの、おおむね一直線で推移しており、製造業の生産は持ち直しの動きが見られるとのことでございます。こうした中、企業の収益は増益が見込まれ、設備投資も増加する計画となっています。なお、依然として厳しい雇用情勢も、一部で持ち直しの動きが見られるとの見解が報告されております。県政を執行するには、これらの情勢を判断しつつ平成十七年度の予算を考えなければなりません。 平成十六年度当初では、一般会計で一兆六千九百二十五億八千八百万円を計上し、対前年度対比では一・九パーセントの増とはなりましたが、知事は平成十七年度の予算編成を行うに当たり、平成十五年十一月二十六日に作成した新生埼玉行動計画と照らし合わせ、実りのある平成十七年度予算にしたいとお考えだと思います。そこで、十七年度の、知事が目標とする来年度の抱負などをお聞かせいただきたいと思います。 また、厳しい財政運営に当たり、いわゆる三位一体改革が地方財政を一層圧迫してきております。しかし、県財政は、教育問題や医療、少子高齢問題などの健康福祉関係の負担が年々増大してきており、それらのために、全般的に近年は財政の硬直化が心配されておりますので、財政再建をどう進めてまいるのか。行財政計画に徹底して取り組まなくてはなりません。 そして、来年度の予算編成の中で、地方交付税につきましては、今年の当初予算比で百四億円を下回るほど大幅に圧縮され、二千四百八十一億円を計上しており、知事は「地方交付税は、地方財政計画を行う中ではどうしても必要」と述べております。さきの相馬議員への答弁で満額と言われておりますが、十六年度減額となった地方交付税の基準での満額なのか。制度があっても、確保は別であると思います。知事がどうしても必要としている以上、前の年よりは上乗せをしなくてはならないのであります。 私は、地方交付税の県への配分は、それが決まる前が大切なのではと常々思っております。国への陳情、要望などのあいさつ回りが必要ではないのかと思います。知事の国への働き掛けにより、成果が出ると思います。じっと動かず国から交付を待っているだけでは、地方交付税は減るのみであります。 知事は若いころ、選挙の苦しさを十分に経験され、毎日のように駅頭に立っておられました。それは、晴れて当選してからも、代議士の時代も延々と続けられたそうですが、そして名刺配りは日本一と聞き及んでおります。あの時代の気迫と頑張りをお忘れにならず、県政に取り組んでもらいたいと思います。三位一体改革における地方交付税や補助金の削減の問題に対するしっかりとした確保について、知事のやる気と行動力に期待し、十七年度の地方交付税の確保について、国への働き掛けなどのところをお聞きいたします。 また、財政調整基金を十六年度当初予算で全額取り崩すことになりましたが、今多くの都道府県で財政調整基金が底をつく現状であります。不測の事態にも耐え得る自治体にするには、財政調整基金の蓄えも十分にしていかなければならないと思います。今後の財政調整基金の運用と管理について、御見解をお伺いいたします。 次に、部設置と女性の登用についてお考えを問いたいと思います。 県は、来年四月から現在の七部一局体制を十部に分割拡大する条例案を今県議会に提出されております。上田知事は、十一月二十八日某所で一年間の成果を語っております。知事は、「県民の安心・安全を推進するために、県民の目線で、福祉、防犯、環境、防災、雇用、教育といったいろいろな問題に取り組んでいる。サービスということを自覚しないで、あいさつをしない職員もいたが、ほとんどがするようになった。なる前にはすぐできると思っていたが、国、法律の絡みで、県だけの考えで進められないものもあるが、県庁を活性化するという意味では大きな効果を上げている」と話されております。そして最後に、「埼玉の仕組みを変えることが大事である」と話されておりますので、部設置の改正を御決断なさったのでしょうか。 現在の部設置は、行政改革が唱えられているさなか、平成九年度からの再編でスリム化されております。今回の条例改正は、上田県政で大幅な組織改正は初めてであり、前知事の組織より、自分なりの組織につくり上げなければなりませんが、せっかく組織のスリム化が進んできているところで、組織が元に膨らむのではという懸念が生じております。政令市の誕生により事務事業の移管などがあり、簡素化されたところもあり、また組織が分散拡大した場合、部内の今までの連携は大丈夫なのでしょうか。そして、七部一局から十部に分散拡大させる理由について、また行政改革との整合性についても賜りたい。御所見をお願い申し上げます。 そして、組織の改編をするならば、男女共同参画ということで女性の登用も考慮されたらと思います。知事は、常に日本で一番最初の女性医師の荻野吟子女史を尊敬されておられますように、埼玉県の女性偉人について折しも触れられております。見渡すところ、県の幹部は男性ばかりです。副知事も二人おられますが男性であり、これからは女性の見識や観点を県政運営に考慮する上からも、女性幹部の登用をお考えなのでしょうか、知事の御見解をお伺いします。 次に、環境問題についてお伺いします。 まず初めに、歩行中の喫煙禁止についてでございます。 歩行中の喫煙は、ポイ捨ての予備軍であり、火を消さずに捨てた場合には火事にもつながることがあり、絶対やらないという意識の醸成や、絶対させない普及啓発が必要です。また、歩行中の喫煙は、幼児や子供に対して大変危険であり、火のついたたばこの先端温度は摂氏七百度にも達し、喫煙者のたばこを持つ手の高さがちょうど子供の顔の高さに来ることもあり、やけどや失明など、人体及び被服への深刻な被害も懸念されることから、喫煙者が遠慮しなければならない最低のマナーであり、特に人通りの多い駅前や商店街での歩行喫煙は、是非とも禁止すべきです。 こうした状況にあって、一昨年、東京都千代田区が全国に先駆け、神田、秋葉原など人通りの多い場所などを路上禁煙地区として指定して、路上喫煙、歩行喫煙、吸い殻のポイ捨てを規制する、安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例を制定したことは、全国的にも大きな反響を呼んでおります。このような取組は全国の自治体にも広がる動きがあり、今後県としても何らかの検討が必要ではないでしょうか。 本県では、散乱ごみのポイ捨て防止を目的として、環境美化や快適なまちづくりを目指し、平成十三年に埼玉県ごみの散乱防止に関する条例を施行し、また県内の三十を超える市町村がポイ捨て条例を制定し、ポイ捨て防止のキャンペーンや地域で清掃活動を実施し、環境美化の活動に取り組んでいるところでございます。歩行喫煙は、ポイ捨ての原因となる行為であり、環境美化の観点からも県のポイ捨て条例を見直すべきであると考えますが、駅前や商店街での歩行喫煙を禁止することについて、環境防災部長の御所見を求めたいと思います。 次に、オゾン層保護対策についてお伺いをいたします。 地球を取り巻くオゾン層は、太陽光に含まれる有害な紫外線を吸収することにより、地球上のあらゆる生命を保護する大切な役割を果たしています。しかし、このオゾン層がフロンなどの化学物質によって破壊されると、地表に到達する紫外線の量が増加し、皮膚がんや白内障など健康に悪影響をもたらすばかりでなく、動植物の遺伝子を傷つけ、生存を妨げるおそれがあるとされております。 このように、オゾン層の破壊が地球温暖化とともに人類の生存基盤を脅かす極めて重大な環境問題であることが明らかとなり、一九八五年にオゾン層の保護を目的とする国際協力のための基本的な枠組を定めたオゾン層の保護のためのウィーン条約が採択されました。また、一九八七年には具体的な規制内容を盛り込んだモントリオール議定書が採択され、各国の協調の下にオゾン層破壊物質の規制が開始されました。 我が国においても、オゾン層を破壊する作用の強い物質から順次生産や輸出入を規制しており、また、エアコンや冷蔵庫の冷媒として使用されているフロンなど、既に生産され、製品中に含まれるオゾン層破壊物質については、製品を廃棄するときに回収することを義務付け、大気中への排出を防止しております。フロンは、分子当たり温室効果が二酸化炭素の一万倍もあります。また、年ごとの大気中の代替フロン濃度の増加が二酸化炭素などの温室効果ガスよりも急速であります。つまり、フロンは量は少しでもパワーはすごいのでございます。 そこで、このような対策の成果として、オゾン層破壊の代表的な物質であるフロンの大気中濃度はどのように推移しているのか、そしてオゾン層は近年どのような状態になっているのか、お聞かせいただきたいと思います。 また、フロンの回収については、特に自動車を廃棄するときのカーエアコンの処理と家庭用エアコンの取り外しや業務用冷凍空調機器の処理を適切に行う必要があると考えますが、フロンの排出防止の徹底を図るためにどのような対策を進めるのか。 以上、環境防災部長よりお聞かせください。 次に、市町村における教職員の広域人事異動の推進と地域格差の是正について、お尋ねをいたします。 日本の未来を担う子供たちの教育の現状は、学力の低下、しつけ、道徳など規範意識の低下、不登校、低年齢の非行問題の増加、体力低下など、今、正に憂えるべき様々な問題が横たわっております。そして、それを解決すべき様々な教育改革が行われてきております。学校評議員制度、学校運営協議会、少人数学級編制、自己申告制度、教育特区などなどがあり、教育施策として学力向上施策、そして教育に関する三つの教育達成目標が推進されておりますが、「教育は人なり」なのであります。教育の成果は、一人一人の教員によることが大きく、教員の資質、人格、指導力の向上が何よりと考えるものであります。 そうでありながら、今日、教職員の不祥事が連続し、教員になり切れない先生がおり、何とも耐え難い思いがします。私は、教員の指導力の向上には、日ごろの教員同士の切磋琢磨によって育成されると思っております。 県の教職員人事異動の基本方針の中で、「教育の機会均等を図るため、各学校の教職員組織の充実と均衡化に努め、地域差、学校差を是正する。特に年齢構成不均衡を解消させるため、広域な人事交流に努める」と記されております。そして人事異動方針細部事項では、「新採用の教員等については、多様な経験を積ませ資質の向上を図るため、採用後の五年以内に異動を行い、原則として市町村間の異動を行う」とあり、新採用者の広域人事は推進されておると聞いております。 しかし、それ以外の教員などの広域人事の異動は十分に行われていないのではないか。教員の中には、同じ学校に何度も異動を繰り返している者が多くいると聞き及んでおりますが、教員にとって、人事異動は最大の研修と言われております。本人にとっても、視野を広げ職務経験を豊かにすることができるわけであり、市町村間の異動が行われれば、良い教職員組織と指導力の向上が図られ、そして学校もより一層活性化していくことと考えます。 そこでお尋ねをいたします。新採用者以外の教職員の広域人事異動の状況はどのようになっておられるのか、そして各市町村による推進の差の状況をお尋ねいたします。そして、そのような格差をどのように考え、今後どう解消なされていくのか。 以上、教育長にお尋ねをいたします。 次に、埼玉高速鉄道の運賃についてお伺いします。 平成十三年三月開業の埼玉高速鉄道も開通から三年九か月の年月が過ぎ、今年六月には杉野新社長を迎え、杉野社長は経営の黒字を目標とし、就任一か月後の七月には改革プランを発表しております。上田知事が経営と延伸について埼玉高速鉄道検討委員会を立ち上げたことは、皆様も御承知のとおりでございます。 杉野社長の改革プランは、具体策としては、東京メトロや東急線を経由して横浜高速鉄道みなとみらい線への乗り入れを十月に実施し、そして旅行業の許可を得て横浜中華ツアーなどを展開する。また、車内に液晶モニターを設置して新たな広告収入を稼ぐとし、いろいろな工夫がなされており、そして経費削減は、すべての部署に三割カットを命令する。削ったうちの一割を賞与として社員に還元する。また、昼間の十時から四時までの車両は定員の一〇パーセント以下の乗客しかいないため、本数の削減と快速運行を提案され、今後は東京メトロなど乗り入れ各社と協議していくとしています。この改革プランにつきましては、上田知事は高く評価し、全面的な協力を約束したと発表されております。私も、これらの杉野社長の手腕に期待しております。 埼玉高速鉄道の経営悪化と乗客の低迷の原因は、私は最初から運賃の設定にあるとかねがね思い続けております。埼玉高速鉄道線は、平成十三年一月に国に運賃申請を行っておりますが、初乗り三キロまでは二百十円であります。同じ第三セクターの鉄道線と比較しますと、横浜新都市交通が二百三十円と一番高く、北総・公団線、東葉高速鉄道は二百円、ゆりかもめが初乗り運賃は百八十円と安くなっております。JRでは初乗りが三キロまで百三十円であり、一区間三キロまで比べますと、JRと埼玉高速鉄道では八十円の差があります。 鳩ヶ谷駅から東京駅まで行くには、王子駅でJRと乗換えとなり、王子駅までは埼玉高速鉄道線と東京メトロを利用して九・八キロ、運賃にして四百六十円となります。詳しく言いますと、鳩ヶ谷駅から埼玉高速鉄道線で赤羽岩淵駅まで五・九キロ、運賃三百円、東京メトロで三・九キロ、百六十円となり、王子駅まで九・八キロで運賃は合計四百六十円となります。一方、JRを利用しますと、西川口駅から上野駅まで十四・二キロ乗っても二百十円であります。自宅から県庁まで、埼玉高速鉄道鳩ヶ谷駅から東川口駅六・三キロ、三百円、武蔵野線東川口駅から南浦和駅乗換えで九・二キロ、運賃百六十円、やはり計四百六十円でございます。JR西川口駅から浦和駅まで六・四キロで百六十円であります。 以上のように、埼玉高速鉄道鳩ヶ谷から東川口までとJR西川口から浦和までのほぼ同じ距離を比べても、料金は埼玉高速鉄道がJRより八七・五パーセントも高いのが現状であります。市民の鉄道、また地下鉄として、利用者の方々はJRとの運賃を比較する方が多いのでありまして、「埼玉高速鉄道は運賃が高いのね」と言われ、市民は一般的にそのように思っております。 そこで、都筑副知事に御所見をお聞きいたします。 埼玉高速鉄道の運賃を下げますと、赤字の経営をなおさら圧迫するのではないかと危ぐされておりますが、運賃を下げてJRと料金を同じくらいに設定した方が利用者の増加が見込まれ、経営が安定していくと思われますが、都筑副知事の御所見を賜りたいと思います。 次に、ホームレス問題についてでございます。 今日の厳しい経済や雇用情勢を背景に、何らかの理由により、ホームレスと呼ばれる状態となることを余儀なくされている人々が増加しております。失業が大きな原因として挙げられますが、借金を抱え、一定の居所を構えた社会生活を送ることが困難になるなど、様々な事情及び原因によりホームレス生活を余儀なくされる人が多く存在しているのです。 厚生労働省が平成十五年に実施したホームレスの実態に関する全国調査によると、全国のホームレスの人数は二万五千二百九十六人で、都道府県別では大阪府が七千七百五十七人、東京都が六千三百六十一人、愛知県が二千百二十一人と、主に大都市に集中していますが、視察で愛知県の名古屋市に行ったとき、道路の中央分離帯にブルーシートの群れが連続してございました。通行したときが夏の暑い時期であったため、風通しをよくするために入り口のシートが開いていたのがほとんどでございましたので、多くのホームレスが住んでいるのが見えました。上を見上げますと高速道路であるために屋根として利用され、暑い日差しも、また雨も避けられる場所として住居をつくっておりました。中には、家の形にブルーシートを覆い、中にテレビを持ち込んでゆったりと定住をしているかのように思えたのもありました。また、町じゅうの公園内にもところどころにブルーシートがあり、聞くところ、甚だ街の中心部に近いこともあり、目にするには迷惑なところということで恐縮しておりました。 以上のように一例を挙げて述べさせていただきましたが、ホームレスの問題は周辺都市に広がりを見せており、一方では、ホームレスへの殺傷事件に象徴されるような社会的な偏見が広がるなど、全国的に深刻な社会問題であると言えます。 埼玉県でも、平成十五年に厚生労働省調査の一環として調査を行ったところ、県内では八百二十九人のホームレスが確認されました。多くのホームレスが生活する地域は、さいたま市二百十一人、戸田市九十七人、川口市七十一人となっており、また年齢分布は五十から五十九歳が全体の五〇パーセント、六十から六十九歳が二七・五パーセントを占め、公園や河川敷において多くのホームレスの確認がされるなど、全国調査と同様の傾向が見られます。 鳩ヶ谷市内でも数年前に、公園の公衆トイレの中に、その公衆トイレは車椅子に乗った高齢者や身障者の方々にも利用できるように設計されていたため、トイレのスペースが広いので、ホームレスが段ボールや布団などを持ち込み、内側からかぎをかけ入り込んだことがありました。トイレに入れないと通報があり、駆けつけたところ、ホームレスが中にいたとのことでありました。ほかでもこのような出来事が起きたことがあると聞き及んでおります。 ホームレスに至った要因といたしましては、倒産や病気、けが、高齢などで仕事ができなくなるなど、就労意欲はあるものの失業状態にあること、医療や福祉などの援護が必要でありながら社会的な束縛を嫌う、あるいは諸般の事情から身元を明らかにしないなど、社会生活を拒否することなどが挙げられます。そうした中で、中高生によるホームレスに対する集団暴行事件に象徴されるような社会的排除も背景として挙げられることから、ホームレス支援に向けて対策を講じる必要があると思います。 埼玉県では、国のホームレス自立の支援等に関する特別措置法第九条第一項に基づき、平成十六年三月に埼玉県ホームレス支援計画を策定し、諸課題の解決に向けた取組が始まっております。しかし、社会生活を拒否しているホームレスが仕事や自立した生活を取り戻していくことは容易ではありません。働かせようとしても、意欲を持たせなければならず、身元を明かさないなどでは、誰が身元の保証をして就労させていくのか、課題はたくさんあると思います。 そこで、健康福祉部長にお尋ねをいたします。 ホームレスに食料、住居、そして医療などの健康についてどのように支援されていくのか。そして、社会復帰の支援対策など自立に向けた施策や啓発活動もお伺いいたします。そして、声掛けなどはボランティアやNPOの協力も必要と思いますが、民との協力体制についてもお伺いをいたしますので、健康福祉部長の御所見を賜りたいと思います。 次に、経済構造改革における連結納税制度についてお伺いいたします。 この制度の趣旨は、グループ経営に移行している企業の経済実態に対応した連結納税制度を創設することにより、グループ経営を促進するというものであります。つまり、親会社が何社も子会社を持っているグループ会社を一つの課税単位にする制度であり、親会社、子会社ごとに課税してきたところとの違いがございます。 グループ経営の推進は、連結納税制度により、企業の組織形態に対する税の中立が確保され、グループ経営の阻害要因となっている企業の組織再編成に伴う税負担の増加という現行税制上の問題が解消されます。これにより、企業戦略を最大限有効に機能させるグループ経営が推進されるわけでありまして、税の軽減と企業の躍進と強化にもなる連結納税制度を埼玉県でも是非導入していただきたいと思いますが、総務部長の御所見をお伺いいたします。 次に、地元問題として、毛長川排水機場の自動運転化についてお伺いします。 私の地元鳩ヶ谷市を流れる毛長川の流域では、大雨のたびに浸水被害が発生しておりました。このため、毛長川調節池に併せて、洪水を新芝川に排水するための毛長川放水路と毛長川排水機場が整備されました。毛長川排水機場には、排水能力十トンが二台、五トンが一台の計三台のポンプが設置されております。おかげさまで浸水被害は大幅に減少したわけでございますが、少量の雨でも毛長川の水が放水路に流入するため、毛長川排水機場の稼働回数が近年の集中豪雨により大変多くなっております。集中豪雨時には、浸水被害を防ぐため、いち早く駆けつけてポンプのスイッチを入れなければなりません。 そこで、水位センサー付きの自動運転装置を設置し、毛長川排水機場の自動運転化をお願いしたいと思いますが、県土整備部長に御意見を賜りたいと思います。 以上で私の一般質問とさせていただきます。鳩ヶ谷の皆様、傍聴大変ありがとうございました。(拍手起こる) ○近藤善則副議長 二十一番 石田昇議員の質問に対する答弁を求めます。        〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 石田昇議員の質問に順次お答えをいたします。 まず、知事の県政運営についての質問であります。 十七年度の予算編成についてでありますが、埼玉を日本一と言われるにふさわしい施策をどのようにしてつくるのかということでございますが、平成十六年度の予算において、生活者の視点に立って優先順位の高い重点化を図るため、保育所待機児童対策関連事業や高齢者福祉の充実、警察官の増員をはじめとする防犯・交通安全対策、あるいは道路・街路の重点整備などを行ってきたところでございます。また、本年度に新設をいたしました創業者やベンチャー企業をワンストップで支援する創業・ベンチャー支援センターにつきましても、開設以来既に相談者が一千件、そして創業件数も五十二件という形で順調に進んでおりますし、あるいはNPOの活動拠点、そして基金もつくりましたところ、昨年度十月末の三百四十七件から今年度十月末には五百六十六件まで増加しておりまして、この伸び率は六三・一パーセントで全国第二位のNPOの伸び率、つまり安全・安心とかNPOだとかいろいろ、五つの日本一の宣言をしました部分に関しては、いささかでありますが、確実にそうした数字の上でも成果が上がってきているところでございますので、御承知のとおり、大変厳しい財政事情ではありますが、何とか縮小均衡にならないような予算の仕組みにしたい、このように思っております。 先ほど相馬議員の御質問にお答えしましたように、例えばスーパーサポート資金ですが、結果として四千数百人の企業の方々に一千億からの事業費が回っていく。そして、県の最大規模での損失の補てんと言うんでしょうか、損失の覚悟と言うんでしょうか、その部分はその一千億の五パーセントで上限であります。それも五年という長い時間をかけてでありますから、そういうことを考えれば、極めて効率のいい事業だということになるかと思っております。そうした方向をできるだけ十七年度の予算の中では、額は少なくても効果が大きくなっていく、そういう仕組みをできるだけ取り入れたい、このように考えております。 次に、三位一体改革における地方交付税や補助金の削減問題でございます。 三位一体改革については、これまで十分な税源移譲を行っていただきますようにいろんな形でお願いをしてきました。本県選出の国会議員の皆様にもお願いをし、あるいは全国知事会等々を通じていろんな要望活動を行ってまいりましたが、残念ながら結果については、再三申し上げておりますように、税源移譲そのものは廃止補助金の六割にとどまっておりますし、しかも対象事業そのものは自由裁量のないものが九割という形で、およそ我々が要望した中身とは違った形になってきているということであります。 また、地方交付税等について、地方団体の安定的な財政運営をするためには絶対的に必要不可欠だと思っております。本年度のように一方的な削減があるようでは、これは県もそうですが、もっと財政規模の小さい市町村にとってみれば、これはどうにもならない。予算編成ができにくくなるという問題もありますので、総務大臣も、極力というか、満額回答を確保したいという強い決意を持っておられますので、我々も一緒になって結集して国に強く、満額回答ができるような要望をしていきたいと思っております。 名刺の配り方でございますが、総務省には私の名刺が一番置いてあります。癖はまだ残っておりますので、一所懸命きちっと要望するところは要望していきたい、このように思っております。 次に、今後の財政調整基金の運用と管理についてでありますが、御指摘のとおりでございます。財政調整基金や県債管理基金といった財源不足対策として活用できる基金の残額は、平成八年度が二千五百億円あったわけでございますが、平成十五年度末には七百八十九億円までに減少しております。この七百八十九億円についても、平成十五年度当初予算で十四年度末残高見込額のほぼ全額を一たん取り崩すこととして四百億円計上しておりましたが、徹底した歳入の確保と予算執行の節減によって、本年の二月の時点で復元して、また元に戻しておるところでございます。 今後も行財政改革に全力で取り組むとともに、県内経済を活発化させて、ひいては税収の増加、あるいは雇用の創出を図る中で、結果として財政収支にいいものをもたらすような仕組み、これをつくることが大事だというふうに思っております。したがって、これからも基金の取崩しに関しては極力抑制して、残高の確保に努めていきたいと思っております。 次に、部設置と女性の登用について、組織を再編する理由についてでございます。特に、七部一局の八部局体制から十部体制になるのは分散拡大になるのではないかという御懸念をなされております。 一方、平成十年度は、衛生部と福祉部が統合されて九部が八部になりましたが、逆に部長級は三名増えたこともございます。一般に、国の行革もそうですが、省庁は減ったけれども職員は全然減らない。また、総務省など郵政省、自治省、そして総務庁、三つの省庁からなったわけでございますけれども、官房長のほかに各省出身の総務審議官がおり、この方々が事実上官房長として仕事をしていると、こういうやや注意をしておかないとですね、形式上の行革になって仕事本位でない場合があります。私は、そういう意味で仕事本位で現行の組織を見ていくと、どう考えても、監督範囲の拡大や事務量の増大によって負担が大きい部長がいる、あるいはそのために意思決定が遅れる、あるいは時間もかかる、そういう問題点がありますので、そうした部分を手直ししたい。また、環境防災部のように環境と防災と異質な業務を一人の部長がやって、今日はジキル、明日はハイドと、そういう仕組みが一人の部長でいいのかというふうに私は思っておりますので、組織として機能的な部分をしっかりさせていくというふうにしたいと思っております。 現実に統合の部分で言えば、例えば身体障害者、知的障害者福祉と精神障害者福祉の統合、また児童、ひとり親家庭の福祉と母子保健の統合、これは課レベルでありますが、きちっと必要な部分では課レベルでの統合ができておりますので、そういう意味では、そういう課レベルでの統合のメリットを十分生かしながら、肥大化した部をより機能的、そして機動的に対処できるような体制にしたい、こんなふうに考えて今回の埼玉県部局設置条例の改正案を提案させていただいた次第であります。 組織が分かれた部分についての連携は、当然ながら十分連携できるような形にしたいと思いますし、何よりも行政改革との整合性について申し上げれば、形の上で部の数は増えますけれども、できるだけ部長級というのは増やさない、結果として同じようになる。そして事務事業を一層簡素効率化して、知事部局の一般職員定数を平成十七年度には百七十人程度、大幅に減らすことになりますので、私は中身そのものはスリムに大幅になっていると、このように思っておりますので、御理解を賜りたいと思っております。 次に、女性の幹部への登用についてでありますが、性別にかかわらず、職員の能力と実績を十分に勘案して優れた職員を登用したい、この考え方は一つも変わりません。また、県の政策を決定する過程において女性の視点や考え方というのが大変重要な部分を持っていることも事実でありますので、これも重視していきたいと思っています。 現実に平成十六年度においては、女性の役付職員はこれまでで最も多い六百五十一人が県の様々な課所で活躍をしていただいております。また、県職員上級採用試験の合格者に占める女性の割合も過去最高、四六・七パーセントとなっておりますので、今後の活躍が一層期待されると思っております。 なお、私の印象でありますけれども、各市町村の五十周年記念事業等に参加させていただきました。その際、小中高の作文コンクールなどがございまして、注意深く見ておりますと、大方三十人入賞者がいらっしゃると二十四人は女生徒、八割方女生徒という感じがいたしております。つい先週の日曜日に県の障害者の集いに出席してまいりましたが、ここでも小中学生の作文コンクールがありましたが、入賞者二十人のうち十九人が女生徒でございました。何となく、この作文というのは知的作業の最たるものでもございますので、少なくとも知的世界においては二十年後、三十年後は女性優位、女性の活躍というのが予想されるのではないかというふうに私は思っております。これまでの状況とは全く変わったような状況が近い将来、私は生まれるのではないかというふうに思っております。 以上であります。        〔今井栄一環境防災部長登壇〕 ◎今井栄一環境防災部長 御質問二、環境問題についてお答えを申し上げます。 まず、(一)歩行中の喫煙禁止についてでございますが、人の多く集まる場所における歩行中の喫煙は、歩行者の安全確保の上からも問題もあり、また吸い殻のポイ捨ては街の環境美化を妨げる行為でございます。 本県におきましては、現在埼玉県ごみの散乱防止に関する条例に基づき、県内の道路沿いや河川敷などの広域的な散乱ごみ対策や吸い殻のポイ捨て防止に取り組んでおります。 お話にもございましたが、全国での実施例を見ますと、道路上で喫煙する行為を禁止する上では、駅前や商店街などの歩行者の多い地区を限定して行うことが極めて効果的であります。県といたしましては、駅前や商店街といった地域を限定した歩行中の喫煙の規制に関しましては、条例の実効性を確保するためにも、また環境保全や地域の安全、まちづくりなどの観点から、市町村において条例化して取り組まれることが望ましいと考えております。石田議員から貴重な御提言をいただきましたので、今後この問題に関しましては、改めて市町村と協議をいたします。 次に、(二)オゾン層の保護対策についてでございますが、まず、フロンの大気中濃度につきまして全国調査の結果では、一九七九年の調査開始以降増加傾向にありましたが、オゾン層保護法による生産規制が実施された一九九〇年ころから増加傾向に歯止めがかかり、最近の調査結果では、代表的なフロンでありますフロン12の大気中濃度は〇・五ppb、一口で申し上げますと容積比で二十億分の一程度で、横ばいの傾向を示しております。本県におきましても、東秩父村など三地点で調査を行っておりますけれども、〇・五七から〇・五八ppbで全国調査と同様の傾向を示しております。 また、地上数十キロの成層圏にありますオゾン層が破壊されると、オゾン層に穴が開いたような状態になります。このオゾンホールの今年の最大面積は二千四百二十三万平方キロメートルとなっております。上空の気温などの気象条件によって面積は大きく変化いたしますが、近年は最大二千五百万平方キロメートル前後を推移いたしております。 フロンの排出防止対策につきましては、これまでフロン回収破壊法や家電リサイクル法によりましてフロンの回収を行ってまいりました。平成十七年一月からは、自動車リサイクル法による自動車全体のリサイクルが開始されますので、カーエアコンにつきましては、廃車の引取りやフロンの回収などを行う事業者に対して新たな制度の周知徹底を図るとともに、事業者への立入指導等を実施してまいります。また、家庭用エアコンや業務用冷凍空調機器につきましては、本年度から新たな取組といたしまして、県と市町村が連携し、建設リサイクル法に基づく解体工事の事前届出制度を活用いたしまして、解体工事の発注者や施工者等に対して、フロンを適正に回収するよう指導に努めているところでございます。 今後も関係法令に基づく事業者への指導や普及啓発活動を推進することによりまして、フロンの大気中への排出防止に努めてまいります。        〔稲葉喜徳教育長登壇〕 ◎稲葉喜徳教育長 御質問三、市町村における教職員の広域人事異動の推進と地域格差の是正について、お答えを申し上げます。 石田議員のお話にございましたように、人事異動は教員にとりまして最大の研修であり、自己変革へのまたとない機会であります。本県ではかつて、同一校に長期間勤務する教職員が増加し、そのため学校の気風が停滞し、人事の硬直化を招くという問題がございました。そこで、平成十二年度に教職員人事異動方針の全面的な見直しを行い、多様な職務経験を持つ幅広い人材を育成することを目的として、市町村間の人事異動を積極的に行ってまいりました。 お尋ねの新採用者以外の教職員の広域人事異動の状況についてでございますが、人事異動方針の改正前の平成十一年度は約一千四百件の異動件数でありましたが、改正後の平成十二年度は約二千四百件となり、一千件ほどの大幅な増加となりました。また、平成十三年度以降も徐々に増加し、平成十六年度では約二千六百件となっております。 次に、各市町村における広域人事異動推進の差の状況についてでございますが、平成十六年度におきましては、すべての異動者の中で市町村をまたがる人事異動の率は、県平均で約四〇パーセントとなっております。これを市町村別に見ますと、学校数の少ない町や村では他の市町村への異動が多く、人事異動率は約六〇パーセントと高くなっており、他方、学校数の多い市では同一市内での異動が多いため、他の市町村への人事異動率が約三〇パーセントと低くなっております。 また、格差をどのように考え、今後どう解消していくかについてでございますが、市町村間の広範な人事交流は、教員の視野を広め、職務経験を豊かにし、資質の向上に寄与するなど大きな効果がございますことから、可能な限り格差を是正することが必要であると考えております。今後、市町村間の異動が十分でない地域につきましては、県の異動方針を周知徹底し、特に異動率の低い市町村については、よく事情を聴取し、具体的な課題解決に向けての助言を行い、広域人事をより積極的に推進してまいります。        〔都筑信副知事登壇〕 ◎都筑信副知事 御質問四、埼玉高速鉄道の運賃についてお答えを申し上げます。 運賃の問題につきましては、鉄道事業サービスの根幹部分でございまして、埼玉高速鉄道検討委員会経営部会においても、鉄道経営の専門的な視点から活発な議論が行われたところでございます。 経営部会の中間提言にございますとおり、一般的な交通需要予測モデル上でのシミュレーションでは、例えば現行の運賃をJR並みに五〇パーセント値下げしたといたしましても、見込まれる輸送人員の伸びは約二〇パーセントにとどまるといったデータが示されておりまして、運賃の一律値下げについては、一定の割合で乗客が増えるものの、値下げをカバーできるだけの増収とはならず、結果として減収となる可能性が高いという結果が出ております。 また、他社の運賃値下げの例といたしましては、京王電鉄が平成九年十二月に平均九・一パーセントの値下げを実施いたしましたが、翌年度の輸送人員は増加したものの運輸収入は減少し、元の水準に回復するまで相当期間を要したと聞いておりまして、運賃の一律値下げについては、慎重な検討が必要であるとされております。 しかしながら、市民の鉄道として、利用者の方々からの「埼玉高速鉄道は運賃が高い」と、先ほど議員のお話のような声があることは確かでございます。そのため、会社の経営の安定につながるような競争力のある部分に特化した運賃値下げの可能性や、特定の時間帯や曜日における各種割引等の運賃の多様化などにつきましては、今後更に検討をする必要がございまして、現在会社において、埼玉高速鉄道の特性を考慮しながら検討を進めているところでございます。 運賃の問題は、沿線の方々にとって日々の生活に大きな影響があり、交通機関を選択する際の極めて重要な要素でありますが、会社にとっては経営の安定のための基本にかかわる事柄でもありますので、会社の経営方針の中で慎重に判断される問題であると考えております。 もとより、埼玉高速鉄道の経営の安定は大きな問題でありまして、あらゆる手段を尽くしてこの問題に取り組む必要があります。現在、杉野社長の下で改革プランに基づいて様々な施策が実行に移されておりますので、県といたしましても、これらの取組を全面的にバックアップしてまいりたいと考えております。        〔伊能睿健康福祉部長登壇〕 ◎伊能睿健康福祉部長 御質問五、ホームレス問題についてお答えを申し上げます。 ホームレスの自立支援につきましては、議員御指摘のとおり、住居、健康、就労など数多くの問題を抱えております。その中でも、まず安定した住居の確保が何よりも最優先に解決しなければならない問題と考えております。そのため県では、河川敷や公園などに居住するホームレスに対し、巡回相談員や福祉事務所などの関係職員が巡回しながら生活相談を行い、生活保護制度などを活用した無料・低額宿泊所への入居など、住居の確保について支援しているところです。このように生活保護を受けて住居を確保していただくことにより、食料、衣服、医療など、生活していく上で必要な課題も順次解決できるものと考えます。 次に、社会復帰の支援策についてでございますが、平成十五年の全国調査によりますと、ホームレスの六割以上の方が就労の希望を持っているという結果が出ております。そこで、平成十五年度に県雇用対策協議会の御協力をいただき、職業相談員一名による就労支援を始めましたところ、四十七人が就職に結び付く成果がございました。十六年度には、更に職業相談員を一名増員して充実を図りました。また、ホームレスになった原因として、多重債務に陥ったことが多く認められますことから、弁護士による法律相談なども併せて実施いたしまして、自立を促進しているところでございます。 次に、啓発活動についてでございますが、ホームレスに対する社会的偏見は、人権にかかわる大きな問題でございますので、関係部局と連携を図りながら、偏見の解消に向けた啓発活動に取り組んでまいります。 次に、住民との協力体制についてでございます。ホームレスの自立支援を推進するためには、議員御提言のとおり、声掛けなどを通した街頭相談や夜間パトロールなどを行うボランティア、NPOなどと連携することが必要であると認識しております。このため、平成十六年度予算でお認めいただきました特定非営利活動法人活動費助成事業によりまして、ホームレスの自立支援を行うボランティアやNPOなどの育成に努めているところでございます。 県といたしましては、市町村、警察をはじめとする関係機関、NPOなど多くの方々の御協力をいただきながら、ホームレス問題の解決に取り組んでまいりたいと思っております。        〔島村和男総務部長登壇〕 ◎島村和男総務部長 御質問六、経済構造改革における連結納税制度についてお答えを申し上げます。 近年、分社化や持ち株会社化など企業の組織形態の多様化が進み、企業グループを一つの課税単位とする連結納税制度が、平成十四年度の税制改正で国税である法人税に導入されたところでございます。一方、地方税である法人事業税、法人住民税につきましては、地域における受益と負担との関係などに配慮し、個々の法人を納税義務者とすることが適当であるとされ、この制度の適用を受けない仕組みとされているところでございます。 御質問の連結納税制度を本県の法人事業税、法人県民税に導入することについてでございますが、この制度は、企業グループを一つの法人とみなし、グループ内の個々の法人の所得と欠損を通算して税を計算できるという利点を生かして、企業グループの柔軟な組織再編を可能とするものでもありますことから、企業活力の強化を図る観点からの御意見と存じますが、このような連結納税制度を採用する企業グループは、複数の自治体に事務所、事業所を設置している企業が多く、本来応益的な性格を有する地方税にこの制度を導入しますと、他県に所在するグループ法人の損益が本県の税収に反映されてしまうといった問題も生じます。 また、法人事業税は、企業の業種によっては課税標準の算定の仕方が異なる場合がありますことや、課税標準を都道府県ごとに分割する基準が異なる場合がありますことから、課税技術上も連結納税制度の導入には解決すべき課題がございます。こうした地方税特有の問題もございますことや、地方税法の改正にもかかわる問題でございますことから、御提言につきましては長期的な課題とさせていただきたいと存じます。        〔小沢隆県土整備部長登壇〕 ◎小沢隆県土整備部長 御質問七、毛長川排水機場の自動運転化についてお答えを申し上げます。 この排水機場は、洪水時に毛長川放水路に流入した水を新芝川に排水し、流域の浸水被害を軽減するため、昭和六十一年から運転を開始いたしました。お話にもございましたとおり、総排水量は毎秒二十五立方メートルで、排水機場の運転につきましては、地元鳩ヶ谷市に委託しております。 お尋ねの排水機場の自動運転化でございますが、排水機場を運転する際には、排水先の河川の安全確認を行うことや、常に流入量や排水量、河川の水位、降雨の状況などを見ながら適切に操作する必要がございます。さらに、ポンプの故障や誤作動などの危険性も想定されますことから、こうした不測の事態にも迅速に対処し、被害の発生を未然に防止する必要がございます。 こうしたことから、排水機場の運転時には複数の操作員が常駐し、万全を期すことが不可欠でございます。御指摘にもございましたとおり、この排水機場の稼働回数は県内でも多いことから、鳩ヶ谷市とともに毛長川調節池を含めた、より効率的な排水計画について検討してまいります。今後とも地元鳩ヶ谷市と連携を図りながら、流域の皆様が安心して安全に生活できますよう努めてまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○近藤善則副議長 暫時、休憩いたします。午後二時九分休憩          ----------------午後三時二分再開  出席議員   九十名   一番   二番   三番   四番   五番   八番   九番   十番   十一番  十二番  十三番  十四番   十五番  十六番  十七番  十八番   十九番  二十番  二十一番 二十二番   二十三番 二十四番 二十五番 二十六番   二十七番 二十八番 二十九番 三十番   三十一番 三十二番 三十三番 三十四番   三十五番 三十六番 三十七番 三十八番   三十九番 四十番  四十一番 四十二番   四十三番 四十四番 四十五番 四十六番   四十七番 四十八番 四十九番 五十番   五十一番 五十二番 五十三番 五十四番   五十五番 五十六番 五十七番 五十八番   五十九番 六十番  六十一番 六十二番   六十三番 六十四番 六十五番 六十六番   六十七番 六十八番 六十九番 七十番   七十二番 七十三番 七十四番 七十五番   七十六番 七十七番 七十八番 七十九番   八十一番 八十二番 八十三番 八十四番   八十五番 八十六番 八十七番 八十八番   八十九番 九十番  九十一番 九十二番   九十三番 九十四番  欠席議員   四名   六番   七番   七十一番 八十番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(都筑) 副知事(齋藤)   出納長     総合政策部長  総務部長   環境防災部長  健康福祉部長  労働商工部長   農林部長    県土整備部長  国体・国際スポーツ大会局長   公営企業管理者 病院事業管理者 教育長   警察本部長 △再開の宣告 ○井上直子議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○井上直子議長 質疑質問を続行いたします。 二十二番 渋谷実議員        〔二十二番 渋谷実議員登壇〕(拍手起こる) ◆二十二番(渋谷実議員) どうも皆さん、こんにちは。二十二番、西八区選出、自由民主党の渋谷実でございます。 議長のお許しをいただきましたので、発言通告に従いまして順次質問させていただきます。 それでは、まず初めに知事に質問します。 国民保護法制についてお伺いします。 我が国では、戦後半世紀以上にわたり有事法制に対する国民の理解が得られず、外国からの武力攻撃が加えられた場合には、国家としてどのように対処するのかという有事の法整備がなされていない世界でもまれな国家であります。 本来、我が国は日米安保条約に基づき、国際協調に基づく外交や安全保障政策により、我が国の安全と平和、独立、更には国民の安全、生命、財産を守ることが当然の義務であります。これからの努力を最大限行って、なおも我が国の平和と安全を脅かす事態が発生する場合に備え、有事のための法制を整備しておくことは、独立国家として当たり前、当然なことであります。 しかしながら我が国においては、さきの大戦においての苦い経験から、長い間、国民の間で有事法制整備の是非に関する論議が続けられてきましたが、そういう中で二〇〇一年九月十一日には、米国において戦争行為である同時多発テロ、戦争事件が発生し、一瞬にして多くの貴重な生命、財産が失われました。世界を震撼させました。さらに、最近の北朝鮮の核・ミサイル問題なども背景にして、国においても次第に有事法制整備の機運が高まりつつ、ついに昨年六月には武力攻撃事態対処法が成立し、そうして今年の六月には、いわゆる国民保護法などの有事関連七法案が成立し、緊迫する国際社会の中で、ようやく武力攻撃やテロ、イコール戦争などに対処するために国家として体制が整えられております。テロは、犯罪ではなく戦争であります。 近年、東西冷戦時代の雪解けムードにより、日本は平和ぼけになっております。世界的な規模で武力戦争が起こる可能性は次第に少なくなっていますが、一方で、宗教上、領土、資源あるいは民族間の問題などにより、地域戦争すなわち局地戦争は多発し、深刻化しています。そして、これらの民族、宗教戦争などにも関連した国際戦争組織などの暗躍も、連日テレビ、新聞等をにぎわしてきました。 実際に、アメリカの同時多発テロ(戦争)や三月のスペインでの列車爆破事故--戦争ですね--先日の北朝鮮による弾道ミサイル発射準備疑惑、戦争挑発行為などを見ていますと、大規模な戦争、武力攻撃などによって、いつ私たちが犠牲者になってもおかしくない状況であります。 国は、九月に国民保護法を施行するとともに、有事に国民保護措置の一端を担う輸送事業者や放送事業者などを指定公共機関に指定するなどの着実な体制づくりを進めてまいりますが、本県でも全国に先駆けて国民保護計画の策定準備を進めていると伺っておりますが、一方では、県の計画の基準となる国の基本指針の策定が来年の三月になるなど、計画の遅れも危ぐされています。 さてそこで、まず知事にお伺いしますが、現在の国民保護計画の策定状況はどうなっているのか。また、県民の安全、生命、財産、平和を確保するためにも、できるだけ速やかに計画を策定すべきではないかと考えますが、県としていつごろまでにどのような内容の計画をまとめるのか、お伺いをいたします。 またですね、大規模な戦争や武力攻撃への対処は、県や市町村にとって初めての分野であり、計画づくりも実施体制整備も、そして訓練と、いずれも十分な実践経験があるとは思えません。 さてそこで、これらの計画づくりや訓練の実施など、実践経験を有する愛国心あふれる現職自衛官--私も元自衛官であります--そういう中で、県の職員に現職自衛官を派遣していただき、連絡調整、訓練をし、さらに自衛隊のOBを是非とも活用し、県の実践的な防災・危機管理体制の整備に役立て、地元に密着をした協力と支援、地元自治体と自衛隊及び自衛隊OBのネットワークにより、国から県の実践的な防災・危機管理体制の整備に役立てることが重要だと私は考えますが、知事はどのように思いますか、お尋ねをいたします。多分、私のこういう考えは、知事もそう思うと思いますけれども。 次にですね、イラクへの自衛隊派遣についてお伺いします。 イラクにおいてサダム・フセインが逮捕されて以来、イラクの復興やイラク人による自由で民主的な国家の樹立を望まない一部の勢力が、殺人、殺りく、戦争行為を行い、去る十月には邦人を拘束し殺害するという痛ましい戦争行為事件が起きました。このまま放っておきますと、イラクは戦争犯罪者の本拠地となり、中東全域が不安定化することになります。イラクはサダム・フセインによる四半世紀以上にわたる圧政の下で、国土や国民生活が荒廃しております。放っておいたら、イラクがアフガニスタンのような国際戦争の巣窟になってしまうおそれがあります。 イラク国内を混乱させようとする強硬派たちに対しては、国際社会が断固として対処するとともに、戦争を生み出すようなイラク社会の現状や生活を改善するために必要な復興支援を行うことが極めて重要であります。一部の政党は反対をしていますが、我が国はイラク南部のサマーワ--私の施設部隊の後輩である自衛隊が今派遣されています。医療支援、給水支援、学校修復、道路修復などの復興支援活動を行っております。イラク国民の認識は低く、日本は交通事故死亡者が平成十五年でも全国で七千七百二人と、埼玉県では三百六十九人、一日平均では二十一人、埼玉県では一人、自殺者は全国で三万四千四百七十二人と。そういう中で、日本ではまだ強盗とか労災事故を入れると、一年間に数万人が死亡しています。そういうことを言いながら、イラク人はね、日本を治安の悪い国だと思っているのであります。 そんな中でも、復興を願うイラクの人々の熱い熱意と要望を受けてですね、日本の役割であります、今後とも全会一致での国連の新決議を受けて、国際社会の責任ある一員として、日本にふさわしい支援、協力をしていくことが大変重要なことであります。 自衛隊は、憲法の禁じる武力行使に当たる活動を行うものでなく、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(イラク人道復興支援特措法)に基づき、いわゆる非戦闘地域において活動するものであります。他国の武力行使と一体化するものではありません。イラクの再建は、イラクの国民にとって、また中東及び国際社会の平和と安定にとって極めて重要であります。石油資源の九割を中東に依存する日本の国益に直結します。大義名分も立ちます。世界の中で、日本国ほど世界中が平和で、自由な貿易ができることで豊かな国民生活を送れる国はありません。食料やエネルギーや原材料を海外から調達し、それを加工し、付加価値をつけて輸出し、それを買ってくれる国があるからこそ、日本国の国民生活が成り立っているのであります。 また、他国の犠牲や努力によってイラクが平和になってから日本が支援に乗り出すということでは、国際社会の中で日本国は信頼を失うわけであります。        〔「そんなことはない」と言う人あり〕 ◆二十二番(渋谷実議員) そういうことはあります。第二次世界大戦以降、我々の先輩は、厳しい耐乏生活と苦難を乗り越えて、日米安保条約、日米同盟と国際協調の下で、現在の日本国の繁栄を築いてきました。海外に多くを頼る日本にとっては、国際社会全体の平和と安定が我が国自身の安全と繁栄につながって、不可欠であります。その実現に向け、積極的に寄与していかなければならないものであります。 我が国は、国際社会の一員としてきちんと責任を果たすためには、現在自衛隊が行っている人道復興支援活動を延長し継続することが重要であると私は考えていますが、知事はどう思うのか、所見をお伺いしたいと思います。 次にですね、屋外広告物対策についてお伺いをいたします。 本県では、山間地の自然的景観から都市部の人工的景観に至るまで、地域それぞれ多様な顔を持っています。私の地元川越でありますが、伝統的な趣を持った小江戸川越、蔵づくりのまちですね、活気あふれる商業地域、落ち着いた住宅地、市街地を縁取る河川と豊かな農地、それぞれに魅力的な景観を持ち合わせています。これら埼玉県の美しい景観は、すべての県民の共有財産であります。後世に残すとともに、より一層良好な景観の形成を図っていくことが重要と考えております。 しかし、それを阻害するものとして、私はどうしても気になるものがあります。それはですね、電柱、橋脚等に張られているビラです。道路上のあらゆるものを対象に、むやみやたらに、ところ構わず張り付けられたビラ。費用が余りかからないのか、同じものが次から次へと張り付けられております。数も多く、誠に目に余ります。信号機や道路標識までね、張り紙をしちゃいけないというところに張ってあるんですよ。これらは運転者の注意も散漫になり、交通事故も誘発する原因となります。 特に、そのビラの中でいかがわしいピンクビラ、貸金業者にかかわるビラ、多く見かけますが、青少年に対して影響力が大きいのは、出張ヘルスのビラです。これはですね、青少年等への影響のみならず、県民生活も脅かす可能性が危ぐされています。 このビラ等も、まごころ国体や障害者スポーツ大会の前には一部改善されたように見受けられましたが、選手として、また応援のために本県に来られた方々に、埼玉県の魅力を印象づけられたことと思いますが、さてそこで、このせっかく改善された状態を保持することが重要であると考えておりますが、県ではどのような対応を行っているのか。またですね、警察との連携はどのように図られているのか。 さらに、私が問題としているのは、広告により利益を受ける者への対応でございます。表示する者だけではなく、大もとである利益者に厳しい指導や罰則の適用、おとり捜査、必要であれば条例の改正、法整備等も視野に入れて対応しなければならないと、ビラ等はなくならないのではないかと思います。さてそこで、利益者に対して県の対応を県土整備部長にお伺いします。警察における取締りについては、警察本部長にお伺いします。 次に、JR川越線の輸送力増強と利便性の向上についてお伺いいたします。 川越線は、私の地元川越を中心とし、大宮から高麗川まで三十・六キロメートルを結ぶ本県で重要な東西交通であります。川越線は、埼京線と相互乗り入れ運転が実現した昭和六十年に全線が電化され、一日の利用客が急激に増え、平成八年からは、JR八高線を利用して、川越から八王子方面の直通運転も始まりました。さらに、平成十四年十二月から埼京線がりんかい線に乗り入れをしたことによりネットワークが一層拡充され、東京臨海副都心や羽田空港へのアクセスも大変便利になりました。 このように、川越線は沿線に住む県民の重要な公共輸送機関であるばかりでなく、本県の鉄道ネットワークの重要な役割を担っています。また、荒川鉄橋には風よけが設置をされ、徐行運転による遅れや運休が大幅に減り、利用者の利便性の向上が図られました。 しかし、大変残念なことは、川越線は全線のうち複線化されているのが大宮-日進間の一駅三・七キロメートルにすぎないということです。都心からおおむね三十キロ圏内を走る通勤通学路線でありながら、その多くが単線であります。このために、川越線の運行ダイヤが大きな制約を受けています。例えば川越線の朝七時台に上り列車はわずか四本ですが、東武東上線は実に二十一本走っております。日中でも、二十分間隔で毎時三本の川越線の運行に対して、東上線は急行だけでも十五分間隔で、準急などを合わせれば毎時十二本です。同じ池袋方面へ向かう路線としては、雲泥の差があります。料金にも雲泥の差があります。首都圏でありながら、次の電車まで二十分待つということは、利用者にとって大変苦痛であるばかりでなく、経済的にも大きな損失となっております。朝のできる限りの増発と、日中はせめて東武東上線の急行並みに十五分間隔の運転が実現できないものでしょうか。 私は、川越線は大きな可能性を秘めていると考えておりますが、例えば東京福生市にある横田基地が将来民間利用がかない、羽田空港の補完として利用が実現した場合には、県内からのアクセスとして川越線、八高線のネットワークが大変重要な役割を果たすと思います。また、川越線は日進-指扇間に新駅設置が計画され、周辺の土地区画整理事業が進み、加えて南古谷周辺でも住宅建設を中心に開発が盛んになることで、川越線沿線は大きく変貌を遂げようとしております。つまりこのことから、南古谷-指扇間にある操車場、車両基地に新駅を設置し、指扇始発の列車を、南古谷から空列車で行くんではなく、新駅を設置してお客さんを乗せて運ぶのが一番理想的じゃないかと思います。 そこで、輸送効率の向上につながると思いますが、川越市等地元が協力すれば、法的には問題がなく、複線化もね、国や県の財政支援でできますし--可能性です--私が今質問していること、これは十年先のことを言っていますから。今後ともですね、利用者が一層増加することが考えられ、JR川越線の輸送力の増強と利便性向上が是非必要と考えていますが、総合政策部長にお尋ねをいたします。 次に、建設業者に係る営業所及び支店の調査についてお伺いいたします。 相次ぐ台風の上陸によりまして堤防が決壊し、多数の住宅が床上・床下浸水の被害を受けました。また、新潟県中越地震により土砂崩れや道路の陥没、落石、住宅の全壊などといった深刻な被害を受け、こうした状況を目の当たりにしまして、被災された皆さんに心からお見舞い申し上げたいと思います。県民の生命、財産を守るために、社会資本、公共投資の整備を進めていく重要性を改めて認識したところであります。 本県においては、近年、地震や河川のはん濫等による甚大な被害は発生していないものの、都市化の進展に伴い、少量の雨によっても水害の発生する危険性が増大をしております。また、兵庫県南部地震と同程度の地震が発生する可能性も指摘されております。特に地震被害については、県が行った地震被害想定調査によりますと、県内でマグニチュード七・二の地震が起きた場合には、死者は一千五百人、負傷者五万人を超える被害が想定されています。 また、これまでの社会資本、公共投資整備は、県民が安全で快適に暮らせるとともに、高度成長を支えるなどの一定の成果を上げてきました。既存の社会基盤が大量に更新時期を迎えるなどの問題で、説明責任の向上など社会の潮流からも対応が迫られる課題も少なくありません。 しかしながら、本県における公共部門の建設投資の状況は、国土交通省建設総合統計によりますと、平成十五年度は六千四百四十三億円と、ピーク時の平成五年度の九千九百三十二億円と比較して三五パーセントも減少となっております。少ないでしょう。今後、財政上の制約があることから、建設投資が大きく回復することは期待できない状況にあります。 このような状況の中で、公共工事の発注に当たっては、公共工事の適正な施工と品質を確保することが必要であると考えております。このような観点から、技術と経営に優れた企業が伸びられるように、また施工能力を有しないペーパーカンパニーが参入することなく、優れた技術と施工能力を有する企業が活躍できる環境を整備し、こうした不良不適格業者や地方行政を食い物にする悪徳業者を排除することが特に大切で重要であると考えております。本県が締結する建設工事の契約にかかわる一般競争入札及び指名競争入札に参加する者は、建設業法に基づく建設業の許可を受けているところでありますが、建設業の許可については、複数の都道府県に営業所を設ける場合には国土交通大臣、一つの都道府県のみに営業所をつくる場合には都道府県知事の許可を受けなければならないとされております。許可の要件の一つとして、各営業所に、許可を受けようとする建設業について、一定の実務経験又は資格を有する専任の技術者が配置されていることが定められております。 しかしながら、一部の建設業者の中には専任の技術者が配置されておらず、営業所の要件を欠いているのではないか。あるいは、そもそも営業所の実態がないのではないかといった疑義のある者もいるように思われます。私の知るところでは、そうした営業所の実態のない者が建設業の許可を受け、入札に参加し、県の工事を受注し、その業者が倒産してしまったため、下請業者が代金の支払いを受けられず被害をこうむり、結局倒産してしまったという事例を、風聞を聞いております。県では、建設業許可に当たっては書類審査をし、許可後も一部は抜き打ち的に現地調査をしているらしいのですが、私に言わせれば、その対応はまだ甚だ甘いと言わざるを得ません。県土整備部長はこうした事態に対しどうお考えなのか、お尋ねします。 また、本県の公共工事入札にそうした不適格な業者、あるいは地方行政を食い物にする悪徳業者が参加しないように、入札制度を管理する側としてどのように措置を講じているのか、総務部長にも併せてお尋ねをいたします。 次に、古川排水路及び荒川廃川敷の管理についてお伺いします。 川越市の北部を流れる古川排水は、市街地を取り巻くように入間川に沿って流下し、国道一六号上江橋の上流で入間川に合流しております。豪雨の際には入間川の水位が高くなることから、地域内に逆流を防止するため、排水樋門を閉鎖せざるを得ない。古谷上地域では、入間川の水位が下がるまで自然排水が不能になり、農地や住宅地の浸水が生じる状況であります。本年十月の台風二十二号による大雨でも道路の冠水などの被害が生じ、住民の皆さんは大変心配なさったところであります。現在、県営湛水防除事業により古川排水路と荒川廃川敷の合流点には排水ポンプを建設中で、平成十七年度にはポンプが一部稼働となり、地域の浸水被害が軽減されるものと地元は大きな期待を寄せています。古川排水路並びに荒川廃川敷は荒川右岸用排水土地改良区が管理し、維持管理に要する費用は農家の負担によって賄われておりますが、近年、農業情勢や社会情勢の変化により十分な管理ができない状況であります。 また、荒川廃川敷では、のり面が崩れ、周辺の畑地等が流失の危険にさらされている箇所があります。このままでは、崩落が更に拡大することが懸念されます。これは、自然的不動産破壊であります。 さらに、この地域には川越工業団地などの大規模な開発や住宅の建設が進み、現在では都市排水としての役割が大きくなっております。排水機場と古川排水路、荒川廃川敷については、地域住民の生命と生活を守る立場から、管理能力の乏しい荒川右岸土地改良区の管理よりは、自治体が一貫した管理を行うことが私は好ましいと考えますが、さてそこで、県営湛水防除事業を所管し、土地改良区を指導する立場の農林部長のお考えをお尋ねします。 また、荒川廃川敷は崩れており、のり面を土地改良区が整備することは非常に困難であると聞いております。このような廃川敷を、管理団体が管理できないからといって放置しておくことは、住民生活の安全確保という観点からも許されることではありません。荒川廃川敷の土地所有者は埼玉県であり、県はこの土地を川越市に引き継ぐ予定と伺っておりますが、この土地の安全対策、自然保護対策を講じた上で引き継ぐべきだと考えますが、県土整備部長に併せて考えをお尋ねします。 次に、地元問題であります。 まず、国道二五四号バイパス大仙波地内の交差点の設置についてお尋ねをします。 私の地元川越市では、平成十二年、市民聖苑やすらぎのさとが完成しました。アクセスをする市道は拡幅整備されています。しかしながら、国道二五四号に接続する箇所には中央分離帯があり、交差点の形状となっていないため、国道二五四号東京方面から市民聖苑に右折ができない状況であります。また、この周辺地域は南北方向の重要な幹線道路である国道二五四号、県道川越新座線並びに東西方向の重要な幹線道路である国道一六号、県道川越日高線など相当の交通量を抱えている道路が交差している地域であり、特に国道二五四号東京方面から国道一六号さいたま市大宮区方面に直接連結されていないため、迂回が必要となり、周辺地域の幹線道路同士の交差点では渋滞が発生をし、経済的損失が大きいし、環境にも非常に悪いことになっています。県民の生活に大変不便を来しているという感じであります。 こうした現状を解決するには、市民聖苑へアクセスをする市道が国道二五四号に接続する箇所の中央分離帯を開口し、右折車線を整備する交差点を設置することが絶対に必要だと考えております。そこで、この交差点の設置の具体的な見通しと、どのくらいかかるのか費用について県土整備部長にお尋ねします。 最後に、県道川越越生線の整備についてお尋ねをします。 県道川越越生線は、川越市の北西部地域の市民生活を支える重要な道路であるとともに、沿線に大学や文化施設が多くあることから、歩行者、自動車の通行量が非常に多いのであります。川越市内のこの道路の整備はおおむね終わっていると思われますが、川越西文化会館の前の県道鯨井狭山線との交差点から西の鶴ケ島方面三百メートル区間は、未整備のまま残っております。この区間は幅員が非常に狭く屈曲しており、さらに市道が複雑に交差していることなどから、自動車の円滑な通行に支障を来しております。また、この道路は東武東上線霞ケ関駅に通じる道路であり、朝夕の通勤通学も多いことから、歩行者や自転車などにとって危険な状況であり、地域住民の日常生活に大きな影響を受けております。 現在、霞ケ関駅では駅舎の改築が進められており、併せて北口駅前広場や川越越生線から駅前広場へアクセスする道路整備が進められて、平成十八年三月には霞ケ関駅北口が開設されることになっております。北口が開設されますと、利用者にとって利便性が高まることから、県道川越越生線の交通量が更に増加することが予想されます。現状でも、一か月ほど前に鶴ケ島方面から大型トレーラーが迂回のため生活道路に入り、前進できない状況となり、警察のパトロールカーが出動する大混乱のハプニングがありました。住民にも大変迷惑をかける事態となりました。このようなことから、今まで川越西文化会館前が拡幅されることで一部工事も実施されているところでありますが、地元からは、安心で安全な通行ができる道路として一日も早い改善整備が望まれているところであります。そこで、現在の進ちょく状況と今後の見通しについて県土整備部長にお尋ねをします。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴、大変ありがとうございました。(拍手起こる) ○井上直子議長 二十二番 渋谷実議員の質問に対する答弁を求めます。        〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 渋谷実議員の御質問にお答えをいたします。 まず、国民保護法制についてのお尋ねのうち、国民保護計画の策定状況についてであります。県行政にとっては全く新しい分野ではありますが、テロや武力攻撃などから県民の皆様の生命、身体、財産を守ることは、県の重要な責務であるという認識をしております。そのため国民保護法の成立に合わせて、本年六月七日に、自衛隊や警察、消防、更には民間事業者などをメンバーとする国民保護計画検討委員会をいち早く立ち上げ、計画の検討を進めてまいりました。既に、計画の骨子となる対策本部などの実施体制や避難・救援方法、本県の特性を踏まえたテロ事案の想定などを内容とする計画素案を全国に先駆けて取りまとめたところでございます。民間委員を入れた検討委員会の立ち上げも全国で一番、また計画素案の取りまとめも全国で一番というように、本県では計画策定に積極的に取り組んでおります。 今後は、弾道ミサイル攻撃などいわゆる武力攻撃事態への具体的な対応について、計画に盛り込む予定であります。例えば湾岸戦争でイスラエルがミサイル攻撃を受けた例などを参考に、ミサイル攻撃時の速やかな警報の伝達や密室性の高い屋内への退避などについて検討しております。また、ゲリラ攻撃についても、住民を危険に巻き込まないための警戒区域への立入制限の徹底なども検討しております。計画原案は来年三月ごろまでに取りまとめ、今後設置する県の国民保護協議会に諮問し、答申を得て、平成十七年度中の計画策定を目指しております。 次に、現職自衛官の県への派遣と自衛隊OBの活用についてでございますが、計画づくりや訓練の実施には自衛隊の協力は必要不可欠でございます。現在、計画づくりには現職の自衛官にも参画していただいており、訓練の実施に当たっても、自衛隊との合同訓練を考えております。先日も、旧知の仲でもありますが、守屋防衛事務次官をお訪ねし、有事や災害時における県と自衛隊との連携強化についてもお話をさせていただきました。有事はもとより、大規模な災害発生時における自衛隊の方々の実践経験は大変貴重なものでありますので、そのノウハウを生かすことが県の危機管理能力の一層の強化につながるものだと考えております。 国民保護計画において、自治体と自衛隊の連携がとれた実践的な危機管理体制の整備は、渋谷議員の御指摘のとおりで、極めて重要だと考えております。そのため、来年度から自衛隊幹部OBを県職員として採用し、計画づくりや関係機関との連携、更には日ごろの実践的訓練などを通じ、一層県の危機管理能力に努めていきたい、このように考えております。 いずれにしましても、危機管理関係の行政は全く新しい分野であり、スピードと一元的なシステムが必要だというふうに考えておりますので、異質な業務を持つ環境防災部をそれぞれ独立させていただき、より一層充実させていただくためにも、この点についても御理解を賜りたいと思います。 次に、イラクへの自衛隊派遣についてのお尋ねでございます。 初めに、今年に入ってもイラクの武装勢力などによる日本人の人質事件や襲撃事件が続いておりますことは大変残念であります。改めて、不幸にも亡くなられた方の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。 さて、イラクへの自衛隊派遣の問題についてどう思うかということでありますが、外交・防衛という国の専管事項でありますので、お答えすることが極めて難しい、このように思います。一般論だけで申し上げれば、イラクの復興や国家再建は、国連の枠組みにより、日本も含めた国際社会が一体となって取り組むことが、より理想だというふうに考えております。そして、自衛隊が人道復興支援活動を行うことは、国際社会の一員として極めて大切なことだと思っております。 イラクへの自衛隊派遣について、報道によれば、本日延長するような方向で閣議決定すると伺っておりますが、現地の事情に詳しい政府が決めることですので、自衛隊の皆様には、その任務を安全にして行っていただければ大変ありがたい、このように願っております。        〔小沢隆県土整備部長登壇〕 ◎小沢隆県土整備部長 御質問三、屋外広告物対策についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 屋外広告物のうち、違法なビラにつきましては、本県の美しい景観を阻害するものとして危ぐしております。そのため、県では平成十二年度から、より機動性のある市町村に除却の権限を移譲して取り組んでおり、平成十五年度は五十三万四千件余りの除却をいたしました。また、平成十六年度は国体等の開催に合わせ、屋外広告物適正化強化期間を定めまして、特に関係機関との連携を図り、計画的かつ効率的な対策を実施したところでもございます。今後、更に屋外広告物対策の充実を図っていくために、平成十五年度末に策定しました市町村における違反簡易広告物除却推進員制度実施要綱に基づいた、違反簡易広告物除却推進員制度を市町村が活用し、住民の方々の参加も得て推進しているところでございます。 なお、実施に当たりましては、違法なビラの表示者に係る取締りを含め、適正な屋外広告物の推進のため警察との連携を密にしてまいります。 また、広告により利益を受ける者への対応でございますが、屋外広告物条例は、良好な景観形成と公衆への危険防止を目的として定められた屋外広告物法の枠を最大限活用し、規制しているところでございます。具体的には、条例において、違法な行為を指示する利益者についても罰則ができる規定となっておりますので、県といたしましては、悪質な利益者への対応を警察と連携しながら行ってまいります。 また、屋外広告物法が、張られた違法ビラ等を直ちに除却できるよう改正、公布されましたことから、速やかな除却を推進することにより、違法な広告物を表示されにくい状況をつくってまいります。今後とも市町村や警察と連携を密にし、埼玉県の美しい景観形成のため、屋外広告物行政を積極的に推進してまいります。 次に、御質問五、建設業者に係る営業所及び支店の調査についてのうち、私に対する御質問についてお答えを申し上げます。 渋谷議員御指摘のとおり、営業所の実態のないものなど不良不適格業者を放置することは適正な競争を妨げ、公共工事の品質確保、コスト縮減、適正な施工体制の確保等の支障となりますとともに、技術力、経営力等を向上させようとする優良な建設業者の意欲をそぎ、ひいては建設業の健全な発展を阻害するものと認識しております。 建設業許可時における営業所の調査につきましては、申請者から提出された書類に基づきまして、県内にのみ営業所を設ける場合については知事が、県内及び他の都道府県に営業所を設ける場合については国土交通大臣が、それぞれ経営業務の管理責任者や専任の技術者について確認を行いますとともに、必要に応じて営業所の写真等の資料を求めたり、申請内容に疑義のあるものにつきましては営業所の現地調査を行い、厳正な審査をしているところでございます。 また、許可後につきましても、知事許可業者につきましては、営業所の現地調査を行い、営業所の状況や許可要件の確認などを行っておりまして、その際、専任の技術者が不在になるなど営業所の要件を欠くこととなったり、営業所の実態がないといった事態が判明した場合には、営業所の廃止などの是正措置や許可の取消しを行っております。 平成十五年度には、現地調査を八十三件、是正指導を三十一件、許可の取消処分を八件。平成十六年度には、これまでに現地調査を百件、是正措置を四十件、許可の取消処分を七件行ったところでございます。今後とも建設業の健全な育成・発展を図るため、建設業法の趣旨を踏まえ、これまで以上に現地調査などを行い、不良不適格業者の排除に更に努力し、厳正に対処してまいります。 次に、御質問六、古川排水路及び荒川廃川敷の管理についてのうち、私に対する御質問についてお答えを申し上げます。 荒川廃川敷につきましては、一級河川荒川及び入間川の改修事業によって生じた土地であり、改修事業の終了後、埼玉県が国から譲与を受けたものでございます。一級河川としての用途は廃止されたものの、大雨のときに限らず、通常時でも上流部にある古川排水路からの排水が流下しており、水路としての機能を持っております。このように、この土地は、河川としての用途を廃止した後においても地域の排水の受皿となっており、住民生活に深くかかわるものとなっております。 こうしたことから、地元の川越市に管理をしていただくのが適当であるとの考えの下、以前から引継ぎについての協議を行ってきております。引継ぎに当たりましては、できる限り市の意向に配慮してまいりたいと考えております。現在、のり面の崩落状況を把握するために、官民境界を含めた現地調査を行っているところでございますが、今後、渋谷議員御指摘の土地の保全対策及び自然保護対策につきまして、川越市をはじめ、現在機能管理を行っております荒川右岸用排水土地改良区や農林部とも十分協議しながら、対応策を検討してまいりたいと存じます。 次に、御質問七、地元問題についてお答えを申し上げます。 まず、(一)国道二五四号バイパス大仙波地内の交差点の設置についてでございますが、この箇所は、国道一六号との立体交差や他の信号交差点と近接していることなどから、安全性を考慮し中央分離帯が設置されているものでございます。 お尋ねの、中央分離帯を開口し右折車線を設置することにつきましては、この地域の交通混雑の緩和策の一つとして、地元川越市、警察などの関係機関とともに検討をしております。今までの検討の中では、交差する市道に大型車両などの大幅な交通量の増加が予想されますので、市道を拡幅整備することや、交差している農道などの交通処理対策が必要との課題が出されております。このため、今後周辺の道路計画の見直しや交差する市道の整備状況を見極めながら、この交差点の設置について引き続き検討してまいります。 また、交差点の整備に係る費用につきましては、詳細設計を実施するときに併せて算出することとしております。 次に、(二)県道川越越生線の整備についてでございますが、県道川越越生線の川越西文化会館付近は、お話にもございましたとおり幅員が狭く、大型車のすれ違いが困難であることや通学路にも指定されておりますことから、現在、川越西文化会館前の交差点から鶴ケ島市方面へ約三百メートルの拡幅整備を進めているところでございます。平成十六年度からは、事業の早期完成を図るため重点整備箇所に位置付け、積極的に事業を推進しておりまして、現在の進ちょく状況につきましては、用地買収率が約六七パーセント、工事の進ちょく率は約二九パーセントとなっております。 今後とも地元の皆様の御協力をいただきながら用地買収を進めるとともに、用地がまとまって確保された箇所から順次拡幅工事を実施いたしまして、早期に全線が整備できますよう努めてまいります。        〔池田克彦警察本部長登壇〕 ◎池田克彦警察本部長 御質問三、屋外広告物対策についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 御指摘のとおり、違法広告物のはん濫は、景観上の問題だけでなく、他の犯罪や交通事故を誘発する要因ともなりますので、積極的な取締りを実施しているところでございます。取締りには、違反態様に応じ、主として屋外広告物条例あるいは軽犯罪法を適用しておりますが、本年十月までに屋外広告物条例違反により百二十八件百八十四人、軽犯罪法違反により二十五件二十五人を検挙し、両違反の検挙は前年同期比で七十三件百十人の増加となっております。検挙した違法広告物の種類は、ほとんどが風俗関連と不動産あっせんなどに関するものでございますが、中には、高利の金融の勧誘に関するものがあり、十一月には屋外広告物条例違反で検挙した事案の突き上げ捜査により、いわゆるやみ金融業者を貸金業規制法違反で検挙した例もございます。 また、環境浄化活動の一環として、県や市町村、NTT、東京電力などと連携をとり、管理権等に基づく撤去や街頭犯罪防止支援要員の警備員を運用しての撤去活動を実施しており、本年十月末までに違法広告物約三万四千枚を撤去しております。 なお、広告主に関しては、屋外広告物条例のいわゆる両罰規定により検挙することは可能でございますが、その場合、業務性などを立証する必要がございます。そのような点を踏まえまして、昨年は一法人、今年は十月までに五法人を検挙しております。今後とも違法広告物の広告主を含めた取締り、あるいは撤去活動につきましては、県をはじめ関係機関と緊密な連携を図り、積極的に推進してまいりたいと考えております。        〔中村一巖総合政策部長登壇〕 ◎中村一巖総合政策部長 御質問四、JR川越線の輸送力増強と利便性の向上についてお答えを申し上げます。 これまでのJR東日本への働き掛けにより、川越線は埼京線とりんかい線への直通運転など順次ネットワークを拡充し、本県ばかりでなく、首都圏においても重要な路線の一つに成長してまいりました。今年の十月のダイヤ改正によりましても、りんかい線との直通運転の拡大のほか、平日夜間帯における運転間隔の見直しや土曜、休日夜間帯における川越行き電車の増強を図るなど、更なる利便性の向上が図られたところでございます。 しかし、御指摘のとおり、川越駅における上り電車の本数が朝七時台で四本、日中は毎時三本でございまして、次の電車まで二十分も待つという川越線の現状は、首都圏において広くネットワークを構築している鉄道としては、いまだ十分とは言えない状況にございます。JR東日本では、川越線は日進以西が単線区間であることからダイヤに制約があることや、利用状況から見て現状の輸送力は適正なものであるとしておりますけれども、新駅の設置や沿線地域の開発状況から見ても、増発等による輸送力の増強と利便性の向上が必要であると考えております。日進-指扇間に計画されている新駅の設置は、地域の方々の利便性向上に加えて、単線区間では行き違いできる場所が増えることから、列車の増発につながることが期待されております。 さらに、沿線市で構成するJR川越線整備促進協議会では、今年度部分的な複線化による電車増発の可能性を研究しております。お話にありました指扇-南古谷間の新駅につきましても、部分複線化と併せ、川越線の輸送力増強と利便性の向上に大変有効な方策であると考えております。今後、新駅設置に向けた川越市と地元の取組や周辺のまちづくりの進展を期待するところでございます。 いずれにいたしましても、川越線の抜本的な輸送力の増強のためには全線の複線化が必要であり、県といたしましては、JR東日本に対してその必要性を強く訴えてまいります。また、少しでも早急に改善が図られるよう、当面沿線協議会と連携を図りながら、部分複線化等による効果的な対応案を提案するなど、より実現性の高い方策についても併せて働き掛けを行ってまいります。        〔島村和男総務部長登壇〕 ◎島村和男総務部長 御質問五、建設業者に係る営業所及び支店の調査についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 公共工事の適正な施工と品質を確保するためには、不良不適格業者を入札に参加させないよう、業者選定において排除することが重要でございます。県では、県が発注する建設工事に係る指名競争入札について、建設工事指名業者選定要領を定め、工事成績点数が極めて低い者や経営状態が著しく不健全である者については、指名業者として選定できないこととしております。また、建設工事に係る公募型指名競争入札や一般競争入札につきましても、関係法令等に基づき入札参加に必要な資格を厳格に定め、不良不適格業者の入札への参加を排除し、適正に入札が執行されるよう努めております。 今後とも、貴重な税金によって賄われる公共工事の適正な施工と品質の確保に万全を期するため、発注部局相互の緊密な連絡や関係機関との連携を図りながら、公共工事入札における不良不適格業者の排除に努めてまいります。        〔杉田勝彦農林部長登壇〕 ◎杉田勝彦農林部長 御質問六、古川排水路及び荒川廃川敷の管理についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 この地域は、川越市東部の入間川の右岸に隣接した水田地帯であり、水稲を中心に小麦や大豆、野菜、花卉などが栽培されております。近年、住宅や工場などの都市開発が進展したことによる古川排水路への排水量の増大と入間川の流域開発による河川水位の上昇により、台風時などには農地や下流の住宅地等に浸水被害が生じています。このため県といたしましては、県営湛水防除事業により古川排水路と荒川廃川敷の合流点に排水機場の建設を進めており、平成十七年度からはポンプの一部が稼働となる見込みであり、この施設は川越市が管理を開始する予定となっております。 これと関連し、排水機場に接続しております古川排水路と荒川廃川敷につきましては、地域排水としての性格がありますことから、川越市と荒川右岸用排水土地改良区の意向を十分に把握し、地域の実情に即した管理方法を定めていく必要があると考えております。今後、排水機場整備の進ちょく状況を勘案しながら、県土整備部と連携の上、前向きに関係機関との調整に努めてまいります。          ----------------次会日程報告井上直子議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明十日は、午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告 ○井上直子議長 本日は、これにて散会いたします。午後三時五十六分散会          ----------------...